いじめと犯罪
わたしは、悪質ないじめを、『いじめ』という言葉で括ってしまうことについて、どうかなと思っています。
例えば、「カツアゲ」といわれる金品を恐喝する行為も、学校内で行われた場合、「いじめ」として対処されることがあります。
しかし恐喝は、重い罪なのです。
どれくらい重いかというと、成人がやれば10年以下の懲役刑であり、例え未遂であっても処罰されます。
「カツアゲ」でも、暴行があったり、場合によっては、強盗罪となり5年以上30年以下の懲役刑となるのです。
殴る蹴るといった暴力行為は、暴行罪になります。
暴行罪は、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料。
それで相手がケガをしたら傷害罪です。
傷害罪は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金。
相手は子どもですから、ケンカをすることもあるでしょうし、また、多少のケンカや、「いじめ」行為もあることでしょう。
大人であっても、人間社会には、どのような集団でも「いじめ」や「ケンカ」「いさかい」といった行為は必ずあるものですから、細かいことであれば、事を荒立てずに大目にみたりすることも必要でしょう。
しかし、これくらい重い罪であるということ。
場合によっては、加害者が子どもであっても罰せられるということも、教えておくべきとも思います。
「いじめ」というのは、加害者側にとっては、軽い憂さ晴らしであったり、ちょっとした意地悪であったり、悪戯のつもりであったりするだけの場合もありますが、やられるほうにとっては、たまったものではありません。
昔なら
「いじめに負けるな! いじめっ子なんてやっつけてしまえ!」
などといったことをいう人が結構いました。ハッキリ言って、昔であろうと今であろうと、こういった子どもじみたマンガ的発想で「いじめ」に対処ですことは、ほとんど不可能に近いといえます。
平成22〜24年の3年間にいじめを受けたことがある小学生と、いじめをしたことがある小学生はともに90%近くに上ることが今年の6月、国立教育政策研究所が公表したいじめ追跡調査で判明しています。
つまり、ほとんどの児童は、いじめ被害者であると同時に、加害者でもあるのです。
いまの時代「いじめ」をしないという強さも必要でしょう。
そして、「いじめ」を受けたときに、逃げるという強さも必要でしょう。
この場合、「強さ」を「教育」と言い換えてもいいかといいかも知れませんね。
さらに、そういった「いじめ」を受けたときに、ひとりで悩まずに、「相談」をするという勇気や、「相談」する方法や場所なんかも教えておく必要があるでしょう。
ですから、もし、あなたが、そういった「いじめ」を受けたときは、一人で悩むのではなく、どこか「相談窓口」にいってみてください。
それも、できたら一つの窓口だけではなく、複数の窓口に相談をしてみたらどうでしょう?
案外、「いじめ」から逃れるいい方法が、見つかるかも知れませんよ。
参考までに相談にのってくれる窓口を紹介しておきます。