なぜ高齢者犯罪が激増しているのか?


2012年の犯罪白書によると、65歳以上の高齢者による刑法犯が激増とのこと。

しかも


過去20年間で高齢暴行犯が約50倍!


高齢者の検挙人数のうち約6割は万引き。万引き以外も含めた窃盗は約7割。



まず、高齢者の暴行犯が50倍も増えたことの理由として、65歳以上の人たちが青春を送った1960年前後は、戦後もっとも少年凶悪犯罪が多かった時代ということもありましょう。

この時代、少年による殺人は現在の6倍以上、レイプは40倍以上、親殺しも20倍以上もあったというから驚きです。



敗戦を経験し、すべての価値観がガラリと変わった時代、彼らは社会も世間も常識も信用できなくなっていたのかもしれません。


次にいまこの年代の人がとても増えているというか、日本が高齢者社会になり、20年前に比べて、高齢者人口が2倍近くになっているといこともありましょう。


そのせいか、高齢者以外の年齢層では多くの場合、刑法犯は減少しています。

下の図を見てもわかるように、なぜか高齢者の犯罪のみ急増しておるのですよ。



かくのごとく高齢者だけは、きゅんきゅんと数を伸ばしてる。


でも20年間で高齢者数2倍なら、高齢刑法犯罪者の数も2倍程度でいいはず、それにしても50倍ってのはいくらなんでも激増しすぎじゃないかえ?


なぜか?


その理由を探すヒントとして昨年の高齢者の検挙人数のうち約6割は万引きで、万引き以外も含めた窃盗は約7割ってのがあります。


どういうことかといいますと、お年寄りが万引きや窃盗をしないと食っていけないってことでもあるんですよ。


20年前、1991〜2年ってのは、まさしくバブル経済まっさかりの超好景気の金があまって困っていた時代!


人間、金があまっていれば万引きとか窃盗とか、あまりしませんって。


それから20年、ジャパン・アズ・ナンバーワンといわれた日本経済は超々下落。


よく年寄りが一番金を持っているっていうけど、土地や長く働いてきた年寄りが、一番金を持っているのは当たり前。


でもそんな年寄りだけじゃないんだよね、


でも金持ち老人ならまだしも、貧乏老人のことなんか誰も構ってくれない時代になっちゃった。


その結果が【過去20年間で高齢暴行犯が約50倍! 高齢者の検挙人数のうち約6割は万引き。万引き以外も含めた窃盗は約7割】ってことになったんじゃないのかね?


これはさ、高齢者だけの問題じゃないんだよ。


弱者といわれている若者にも同じことがいえる。


高齢者の世代は「カッとなって犯った」暴力世代だけど、いまの若者世代は、あまりカッとならないし、犯らない「悟り世代」


きっとこの世代が高齢者になって、まだ不景気だと、彼らは万引きとかもせず餓死していくような気がします。


それにいまの40代50代だってあっという間に高齢者になっていくんだから、早急に高齢者福祉と若者の就職難となんとかせにゃーならんのよ。


毎日新聞によると


 一方で、昨年1年間に刑務所に入所した高齢者数は2028人。入所者全体に占める割合(高齢者率)は8%で統計を始めた91年以降で最高だった。


 また、高齢入所者のうち、2度目以上の入所者は1416人(全体の約7割)。6度目以上の入所者も787人(同約4割)に上り、高齢者の抜本的な再犯防止対策を進める必要性を改めて浮き彫りにした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121116-00000034-mai-soci

とあります。


いまや刑務所が【最後の福祉の場】とさえいわれている時代。


仕事もなく、預貯金もない年寄りができることといえば、カッとなって人を殴るか、万引きをしてその日1日の食料を得るかってことかもしんない。


そしてうまく捕まれば、衣食住が保証されている刑務所に入れる、


刑務所に入れば、きっと友だちもできるし、医療も受けさせてもらえる。


となれば、貧しい年寄りがまず食うため、次に万が一捕まっても、やっぱり刑務所で食えるってことで、万引きとかやるのもわかるような気がするな。

だからこれからは、刑務所も【教育機関】であると同時に、【仕事がある場所】ってことにして、刑期が終わった人でも刑務所内外から、職場に通えるようにするとかってのもいいかも知んない。


あと、刑務所は、受刑者の労働で、自分の食い扶ち、刑務所の諸経費、刑務官の給料を払うくらいの刑務所改革をしないといけないかもしれませんね。


とにかくさ、これでいーのかニッポン! っていいたくなりますね。



不登校・ひきこもり・ニートを考える FHN放送局』
巨椋修(おぐらおさむ)