絶望の中にいながら希望を探す

アウシュビッツの中で見た絶望と希望

 ビクトール・フランクルの『夜と霧』という本をご存じでしょうか? 第二次世界大戦中、ユダヤ人であり精神科医であったビクトール・フランクルが書いた、ユダヤ強制収容所の生活を描いた本であり、20以上の言語に翻訳、アメリカでは1000万部、日本では100万部を超えるベストセラーとなった本であり、いまでも多くの人が読み続けている本でもあります。



 生存率が10%とも5%とも言われる過酷な状況を経験したフランクルは「生きる意味」や「希望」について語ってます。

 フランクルは、強制収容所でのある「希望」に関するある経験を書き残しています。


●希望の持ち方

 それは、収容所の中で1944年のクリスマスの日に収容者たちが解放されるという噂でした。苦しい収容所生活の中で多くの人は、その希望を信じ、その希望にすがって頑張っていたのです。

 しかしクリスマスの日が来ても、彼らが解放されることはありませんでした。ただの噂でありデマだったのです。

 このとき希望は絶望に変わります。

 希望を失った人たちはクリスマスの翌日から、新年にかけてバタバタと死んでいったといいます。


 ここで学習できるのは「苦しいからといって、ただ希望を持てばいいというものじゃない」ということではないでしょうか?


 しかし収容所で生き残った人たちもいました。その人たちも希望を持っていた人でした。


 亡くなった人と生き残った人の希望にはどんな違いがあったのでしょうか?

 それは亡くなった人が「今年のクリスマスには解放される」という目先の希望しか持っていなかったのに対し、生き残った人の希望は短絡的ではなく、未来を見据えた希望だったといいます。「クリスマスまでには」ではなく「いつかは必ず・・・」と、未来への可能性を信じた人だけが生き残ったといいます。



●生きる意味とは?

 フランクルはいいます。

なぜ生きるのか?


その意味を見失った時


人は心を病んでしまう


大切なのは、自分が生きる意味を


知ることだ


(フランクル)


 
 フランクルによると、生きる意味は人為的に作るものではなく、発見するものだそうです。


 人ぞれぞれに生きる意味があり、人生にラッキーを期待するのではなく、その人が人生の期待にどう答えるかが、大切であると。


 人生が何かをしてくれるのではなく、人それぞれが、人生に、あるいは他の人に何ができるのかを問いなさいといっているのではないでしょうか?


 フランクルは、苦しみや悩みは、その人に与えられた課題であり、使命であるのだと説きます。


 私たちが苦しみ、悩みも意味があるのだ・・・ と。


 そしてこうもいいます。


それでも人生にイエスと言う と・・・





FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)拝


●オススメ本



さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

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わたし(巨椋修(おぐらおさむ))が監督した映画『不登校の真実〜学校に行かないことは悪いことですか? 』DVDになりました。
精神科医不登校に携わる皆さんにインタビューをしており、問題解決のヒントになれば幸いです。
TSUTAYA』のドキュメンタリーコーナーにも置かれておりますのでご覧になってください。


●巨椋修(おぐらおさむ)の著書



ビックリ!おもしろ聖書物語 (リイド文庫)

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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

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