「3つの無縁」と「3つの障害」


●「3つの無縁」と「3つの障害」と最貧困女子

 鈴木大介さんの著作で『最貧困女子』(幻冬舎新書)という本があります。


 学校でいじめを受けたり虐待を受けたりして、家を飛び出し都会に来る少女たち。彼女たちの救いはセックスワーク、つまり性風俗のスカウトだそうです。


 そして彼女たちがどうして“最貧困”になってしまったのかというと、「3つの無縁」と「3つの障害」があるからだというのです。


「3つの無縁」とは、「家族」「地域」「制度」からの無縁。つまりは家族と縁が切れ、地域と縁が切れ、福祉サービスや生活支援、あるいは教育といった制度からも切れてしまっているということ。


 いわゆる行政がいうところの、自助(自分で自分を助ける)・共助(家族や地域コミニティが力を合わせて助ける)・公助(行政による救助・支援)すべてと縁が切れてしまっていることになります。


 次に次に、「3つの障害」。これは、「知的障害」「発達障害」「精神障害」の3つ。


 ああ、これはこういうセックスワークや最貧困層の人が、みんなこういう障害を抱えているという意味ではなくて、「3つの無縁」と「3つの障害」で最貧困女子になってしまった人に、割と多く見られるのだそうです。


 つまり「3つの障害」を抱えていると、コミュニケーションに支障が出やすく、いじめの対象になったり仲間はずれにされたりしやすい。そして、さらに家族と縁が切れ、地域と縁が切れ、福祉サービスや生活支援サービスとも切れる。


 そして最貧困女子は、公的支援やサービスをかなりの割合で利用しない! あるいはしようとしない!


 これは単に『知らない』という場合もあるそうですが、『知っていても利用の仕方がわからない』ということもある。それ以上に『利用したくない』心情があるようです。


 これらは最貧困女子だけではなく、不登校・ひきこもり・ニートの人にも共通することのように思えます。




●「3つの無縁」と「3つの障害」と不登校・ひきこもり・ニート

 不登校・ひきこもり・ニートも「3つの無縁」と「3つの障害」は重要なテーマです。


 不登校・ひきこもり・ニートも、公的支援やサービスをかなりの割合で利用しない! あるいはしようとしない!


 これは単に『知らない』という場合もあるそうですが、『知っていても利用の仕方がわからない』ということもある。それ以上に『利用したくない』心情がある!


 恥ずかしいとか、申し訳ないとか、意地でもサービスを受けないとかいう思いがあったりする。


 これ日本のあまり良くない国民性なのですよ。


 つまり「恥の文化」であり、「みんなやっているから自分も一緒にやらないといけない」とか、公共サービスを受けるのは恥であると感じているとかがあるみたいです。


 そして、そういうサービスを受ける人をなぜか攻撃する人もいる。正直、実にバカバカしい。


 最貧困女子も不登校・ひきこもり・ニートも、かなり近いところにいるなあと思った時代でございます。




FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)


わたし(巨椋修(おぐらおさむ))が監督した映画『不登校の真実〜学校に行かないことは悪いことですか? 』DVDになりました。
精神科医不登校に携わる皆さんにインタビューをしており、問題解決のヒントになれば幸いです。
TSUTAYA』のドキュメンタリーコーナーにも置かれておりますのでご覧になってください。


●巨椋修(おぐらおさむ)の著書



ビックリ!おもしろ聖書物語 (リイド文庫)

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新版 丹下左膳

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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

陽明門護身拳法のHPはコチラ。門下生募集中!
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