ネットをどこまで信用するか?
●ネットデマで殺人犯にされたスマイリーキクチ氏
たったいまスマイリーキクチ著『突然僕は殺人犯にされた』を完読したところです。
キクチ氏は99年〜12年に至るまでネット上である殺人事件の犯人として、ずっと誹謗中朝を受けていました。私の周囲にもそれを信じていた人が何人かいました。
キクチ氏が最初警察に相談したときは、警察もネットの事情がわからず、まともには取り合わなかったようです。しかしあまりにも執拗に続くので、再度相談をしたところ、諸葛の警察署や警視庁ハイテク捜査センターに聴く耳をもった人がいて捜査やがて、特に悪質な中傷犯18人を一斉に検挙したというものです。
●ネット情報を鵜呑みにする人はどんな人か?
中傷犯は皆、取調室では「キクチ氏に謝罪したい」といったそうなのですが、実際に謝罪にきた人は誰一人いなかったとか。
彼らは皆「ネットに騙された」「本に騙された(犯人がキクチ氏と匂わす書籍があった)」「私は悪くない。悪いのはネットに嘘の情報を流した人だ」と、責任転嫁を行ったといいます。
また「ストレスがあった」「人間関係に悩みがあった」等々、やはり「悪いのは私じゃない。被害者は私の方だ」を主張する人ばかりであったといいます。
キクチ氏曰く、摘発を受けた18人の共通点は
1、他人の言葉に責任を押し付ける
2、自分の言葉に責任を持たない
といった人だそうです。Wikipediaによると
年齢は半数近くが30代後半だったが、上は47歳から下は17歳までいた。
男性だけでなく女性も含まれており、女性の中には妊娠している者もいた。
精神の病にかかっている可能性のある者が4分の1近くいたが、それ以外には仕事や家庭を持つ社会人がおり、大手企業のサラリーマン、コンピュータプログラマー、会社セキュリティ部門の責任者、会社の通信機を利用して中傷コメントを書き込んだ者、年頃の娘がいる父親もいた。
取り調べをした刑事は中傷犯たちについて「どこにでもいる、おとなしそうな感じだった」
中傷犯たちは実際に起きた殺人事件とは何の関係もなく、互いの中傷犯同士や被害者のキクチとも実生活で一切面識がなかった。
中傷犯たちは警察に問い詰められると最初は「やっていない」とシラを切った。
警察から契約しているプロバイダ名やブログに投稿した時刻、コメント内容などの証拠を突きつけられると自分がやったと認めたが、中には友人や同僚・知人のせいにして辻褄が合わなくなった挙句、ようやく認める者もいた。
(Wikipedia『スマイリーキクチ中傷被害事件』)
●ネット情報とどう付き合うか?
誰でも書き込めるネットはまさに玉石混交。何人の人のチェックを通り抜けて表に出てくるマスコミ情報に比べても、かなり怪しい情報が満載です。(もっとも表に出ているマスコミ情報もかなりアヤシイものが多く、リテラシー(教養・判断能力)が必要ですが)
特にネット情報はお手軽お気楽にあらゆる情報が手に入ります。例えば先ほどの『スマイリーキクチ中傷被害事件』はWikipediaを参考にしましたが、Wikipediaに対してこんな記事もあります。
『ウィキペディア(Wikipedia)の健康に関する項目の90%が間違い?(米研究)』(カラパイアより)
くわしくは後で読んでいただくとして、多くの人が利用しているWikipediaにもたくさんの間違いがあるということ。
だからどんなものでも、そのまま鵜呑みにはしないこと!
「ホントかなあ」とちょっと考えてみる。特に不安を煽るような情報や人をおとしめるような情報は、ちょっと大脳を使って考えてみることです。
そして裏をとってみること!
ほら、よくあるでしょ。「その話しのソースはどこよ?」ってやつ。
スマイリーキクチさんの中傷事件のとき、ある作家がキクチさんが犯人かも・・・ と、匂わすような文章を書いたんです。でも、それについてソースは出ていない。おそらく。その作家がキクチさんが犯人かもというなんらかのネット情報を読んで、「こんな事件がある」と書いたと考えられるんですね。
それを読んだこれまでキクチさんを誹謗中傷していた人はもちろん、他のネット民も「あの有名な人が書いているから間違いない!」となったらしいのです。
あと、不安を煽る情報とスキャンダル情報は大衆が大好きだから、マスメディアが良く使うんですよ、不安とスキャンダルはお金になるから。
そして正義の心!
これがそろったら、ネット情報は爆発するように広まります。
それに振り回されないためには、ちょっと考えて「ホントなの?」と疑ってみることです。そして大脳を使って、ソースを探ったり、してみることです。ただしここで一つご注意を!
●人は見たいものしか見ない
『人間はみな自分の見たいものしか見ようとしない。』‐カエサル(シーザー)の言葉より
情報を集めるとき、人はみな自分が望んでいる情報しか探そうとしません。自分が望んでない情報は最初から排除しようとしてしまいます。
わかりやすい例えとして、『ネット右翼やネット左翼などの極端な思考の人』は、ネットで自分側の意見ばかりを必死になって集めるようになります。冷静になれば「それデマでしょう」というような情報でも、それを信じて拡散してしまったりします。
『ネット右翼やネット左翼などの極端な思考の人』という人は、ネットで自分の意見ばかりを必死になって集めるようになります。冷静になれば「それデマでしょう」というような情報でも、それを信じて拡散してしまったりします。
そんな人の記事を見たことありませんか?
人間にはそんな傾向があるのです。だからあえて自分が望んでいる情報だけではなく、そうでない情報も同じように読んでみましょう。
しかもなるべく冷静に。そしてその情報が信用できるかどうかを考えながら。
●わからないときは棚に置いておく
しかしそれでもどうにも判断がつかないことも多いでしょう。
そんなときは、無理にシロクロをつけることはありません。ほとんどのことはそれほど緊急なことではなく、無理にシロクロをつけることもないことでありましょう。
だったら、取りあえず棚を置いておく。中立の立場でなりゆきを見守っていればいいのです。
世の中には、いろいろな問題について、あなたよりくわしい専門家や評論家、研究者といった人がいます。そういった人たちの意見をたくさん聞いてみてもいいかも知れません。
今回例に上げた、スマイリーキクチさんの中傷は、ほとんどが勝手の憶測であり決めつけでした。検挙され有罪判決を受けた人たちは、まさか自分が書類送検されるなどと夢にも思っていなかったことでしょう。
あまり考えずに、ネット情報を盲信し、遊び半分かストレス解消のためかわかりませんが、見ず知らずの芸能人をおとしめ中傷し、検挙されてしまったのです。
ネットを鵜呑みにするしないはその人ご自身の判断ですが、ちょっと気をつけたいところですね。
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巨椋修(おぐらおさむ)
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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。
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