希望は絶望?

人間という生き物の特徴は、未来を予測し警戒したり備えたりできることです。


災害が来るのを予想して備えるのは有意義なことですが、備えもせずただ不安がっているだけというのは賢い方法ではありません。


それとね、本や文章を書いているわたしとしては、不安を煽ったりする本や絶望論的な本っていうのは、確実にウケるんですよ。


例えばある経済学の著者さんの本を例えに出すと・・・





と、これらの本の場合、もう確実に予想を外しまくっているわけです。

ではなぜ出版社は毎年のようにこの著者さんの本を出版しているのかというと、それはおそらく【毎年、確実に売れるから】だと思うんですよね。


なぜ人々がこの本を買うのかというと、絶望的なことを書かれると、気になって仕方なくなっちゃうからだと思うんです。


ここで思い出すのが、1999年7月に人類は滅亡するとした『ノストラダムスの大予言』という本。



この本、なんとシリーズ累計600万部も売れたという大ヒット作品!


中にはこの本の内容を信じてしまい人生をフルスウィングして棒に振ってしまった人も大勢いたり(わたしの知り合いにもいます)、あるいはこの本の内容から、オウム真理教地下鉄サリン事件のヒントになったという本です。


内容はもちろんデタラメで、大予言は見事に外れに外れまくりました。


そうそう、その後だと2012年『マヤの大予言で人類滅亡』なんてのもありましたね。もちろん大ハズレでしたが、中には真に受けてしまった人もいたみたいです。

そういえば、その頃わたしは別ブログに『日本人の8人に1人が2012年に人類滅亡を信じているらしい』なんて記事を書いてました(笑)。


このとき


「教育水準や収入が低い人ほど、世界終末を信じたり、マヤ文明の予言に不安を感じる傾向が強い」
(※ソースはココ http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYE84102U20120502 )


なんてことを書いたのですが、1938年10月30日、アメリCBSラジオで放送された『宇宙戦争』というラジオドラマがありました。


原作はH・G・ウェルズ。プロデューサーは、かの名優オーソン・ウェルズ

ドラマの内容は、火星人が地球に攻めて来て、地球の軍隊が火星人と戦うというSFです。


このラジオドラマは報道ニュースや、ドキュメンタリーの手法を取り入れた当時でもめずらしい「フェイク・ドキュメント」の方式を取って制作されたものだったこともあり、ラジオを聴いていた人々は


 「本当に火星人が地球に攻撃をしかけてきた!」


と勘違いし、全米各地でパニックを起こしてしまったという事件。この事件に対して、アメリカの心理学者キャントリルは


「パニックになってしまった人々は、教育レベルが低い人が多かった」


と、指摘しています。


教育レベルの高い人々は、【火星人襲来】という大ニュースならば、CBSラジオ一局だけではなく、他のラジオ局も報道しているはずだと判断し、他局のラジオニュースを聴いたり、被害を受けたとされる地域の人に電話をして裏を取ることで、このラジオドラマが作り物であることを見破り、パニックになることはなかったそうな。


東日本大震災のときのデマなんかでも、不安を抱えているときなど、普段は冷静な人でも、デマを信じてしまう場合が多いようです。


不安を抱えている人は、希望のある言葉や情報を疑いがちになりますよね。


そして希望的なことを考えないようにしたり、希望を信じられなくなってしまいます。


文字通り、希望から目をそむけ、耳を閉ざしてしまう傾向があるのです。


そして絶望を凝視し、絶望的なことに耳をすましてしまうことが多くなります。


さらに、絶望的な情報を必死になって探すようになったり、希望的なことをいう人を攻撃するようになる場合もあります。


そういう人は、「希望が絶望」になってしまっているのです。


希望があり、いま行動を起こせば、なんらかの良き変化が期待できるようなときでも


「そんなことをやっても無駄」

「どうせうまく行かないに決まってる」


と、行動しません。


そうなると、事態はますます絶望的になり、絶望に安住し、より絶望の深みにはまっていくようになります。


あなたが希望しているのは絶望ですか?


それとも希望ですか?


もし希望を求めるなら、まず絶望を求める考え方を改め、絶望を探すのではなく、希望を探してほしいものです。





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巨椋修(おぐらおさむ)


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