DV(ドメスティックバイオレンス)について
●DV(ドメスティックバイオレンス)とは何か?
DV(ドメスティックバイオレンス)とは、夫婦間暴力、あるいは家庭内暴力のことです。
また、恋人同士の暴力などもDVと呼ばれています。
内閣府の調査(2012年)によれば既婚女性の3人に1人がDV被害を経験し、23人に1人の女性が生命に危険を感じる程の暴力を受けているとのこと。
これまで家庭内のこととして夫婦喧嘩と同じように見られていたりしましたが、事態はもっと深刻なのです。
●DVの原因は?
DVを行う人が必ずといっていいくらいいう言葉があります。
「おまえが悪いからだ」
と、いって相手を責めます。そのため、暴力をされたほうが「もしかしたら、わたしに原因があるのかも……」と悩んだりもするのです。
また、暴力の後にすごく優しくなったり、土下座をして「もう二度としない」と、謝ったりもします。
優しくなったり「もう二度としない」と言われたほうは、「この人を信じてあげよう」という気になり、許すのですが、暴力はまた繰り返されます。
ほとんどの場合、DV被害者が悪いから……ということはありません。
DVというのはレイプと同じで、ときどき「レイプされるほうが悪い」という人もいますが、そんなことはないのと同じです。
DVの原因は、被害者にあるのではなく、加害者の育って来た環境にあると言われています。
親からの体罰や暴力、虐待、過干渉などを受けて育ってきた人が、親への復讐の変わりに、自分のパートナーなどに暴力を振るうことが多いと考えていいでしょう。
●母親への復讐として
夫婦間のDVは、加害者が男性であることが多いのですが、女性が加害者になることもめずらしくありません。
DVの暴力は身体的な暴力だけではなく、言葉の暴力や心理的な暴力も含まれます。
親、特に母親が虐待や過度の体罰、過干渉を行いながら、子どもを育てた場合、子どもは、親から見離されれば生きていくことができない存在ですから、何とか親に気に入られようと「いい子」を演じながら成長します。
そして人によっては、思春期のころからこれまで自分を抑圧し、支配してきた母親に対して、激しい家庭内暴力として現れる場合があります。
また、ある人は、親からの虐待、過干渉から「自分は生きていく価値がないんだ」と、ひきこもりになったり自傷行為をするようになることもあります。
またいろいろな依存症になることもあります。
その中の一つが、大人になってから、母親と同じ女である妻や恋人へのDVとして現れることもあるようです。
これらの多くは、母親への復讐として表れるといわれています。
悲しいことですが、女性への暴力は女性が作り出しているとも言えないことはないのです。
●DVから逃れたい・やめたいと思ったら
ではDV加害者は治るのかということですが、正直なんともいえません。
DVというのは疾病ではありません。一種性格の問題であり、大人になってから性格を直すというのは、自分で本当に反省し(いわゆるDVに多い、暴力の後で土下座するなどというのは、本当の反省ではありません。本当の反省でないから繰り返すのです)、相当な覚悟を持たないと、性格の改善は難しいとも言われています。
これはアルコール依存症者や麻薬依存症の人がアルコールや麻薬を断つのと同じくらいの覚悟が必要かも知れません。
もし、本当にやめたいと思うのなら、DVをやめるためのプログラムがある病院にいって、カウンセリングを受けたり、プログラムに参加するなどしていただきたいものです。
もしあなたや、あなたの友人がDVに苦しめられているとしたら、お近くの福祉事務所や女性センターに相談をしていただきたいと思います。
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巨椋修(おぐらおさむ)
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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。
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