なぜ自分には価値がないと思うのか
生きづらさを抱えている人たちの多くは「自分には価値がない」と思っている人が多いようです。
なぜそう思うようになってしまったのか?
それは、親や周囲の大人たちにそう言われて育ってきたから。
そういうと親は「そんなことはない」というかも知れませんが、例えば「おまえのためにどんなに苦労をしてきたか」など「あなたのために」という言葉などは、親にまったくそんな気はなくても
「あなたのために、わたしは苦労をし、いろいろと犠牲にしてきたのに無駄になった」=「おまえなど価値がない」というメッセージとなって子どもに届いてしまいます。
当然そんなメッセージを受けて育つと、自信はもてず、自分は人から好かれていない、人に必要とされていない、さらには自分などいないほうがマシと思い込むようになります。
これでは、生きているのがつらくて当たり前ですね。
ではどうすればいいのか?
それは、自分はそういうふうに育ってきたのだと、自分の運命を受け入れることに尽きます。
そうやって育った人は、それだけで大きなハンデキャップを持っているのと一緒です。
ですから「自分には目に見えないハンデキャップがある」と自覚することです。
ハンデキャップがあるのに、ないと思い込もうとして一般の人と同じことをしようとしても、うまくいきません。
ハンデとは「不利な条件」という意味合いです。足にハンデがある人は、松葉杖を使うことでハンデを克服しようとします。
足にハンデがあるのに、ないと思い込もうとしてうまく歩けないことを嘆き、自分を恨むよりも、ハンデがあると認め受け入れることで、歩けるようになります。
同じように、「自分には価値がない」と育ってしまったことを受け入れ、自分もそう思いがちになることを認めることで、克服の道が開けてくるのではないでしょうか?
そうやって、苦しい自分、生きづらさを抱えていることを認めた人は、生きづらさを抱えて苦しんでいる人の気持ちも、人一倍よくわかり優しい人になれるのではないでしょうか?
認めないままの人は、自分の気持ちも認められないわけですから、他人の気持ちなどわかりようがありません。人の気持ちがわからから、自己中心的になりやすくなってしまいます。
それと最後に、自分の価値というのは、おそらく半分は自分が、半分は周囲の人たちが決めることのように思います。
だから、自分を大切にすると同時に、同じように人も大切にすることが必要なのでしょうね。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)