無差別殺傷事件とひきこもり
ひきこもり者やその傾向のある人たち、あるいは生きづらさを感じている人たちには、ちょっとショッキングな調査結果が、法務省の調査でわかりました。
2000〜2009年度に、無差別殺傷事件を起こした元被告52人の犯行前における問題行動を調べたところ
なんと44.2%が自殺未遂を経験していたそうです!
問題行動のトップは自殺未遂ですが、第4位の問題行動にひきこもりが入っています。
読売新聞の記事を引用すると
犯行動機(複数回答)を類型化すると、「自分の境遇への不満」が22人(42%)で最も多く、「特定の人への恨み」10人(19%)、「刑務所への逃避」9人(17%)と続いた。
こうした動機を抱く背景として、社会から孤立した暮らしぶりが浮かび上がる。犯行時に学校や職場などに友人がいなかったと答えたのは28人(54%)で、交友関係が希薄だった者も含めると33人(63%)に上った。無職だったのは42人(81%)、収入がなかったのも31人(60%)いた。
実際、ひきこもり者や不登校経験者の仲には、ここにあるように「自分の境遇への不満」や「特定の人への恨み」をずっと持ち続けている人は少なくありません。
そして注目したいのは、
犯行時に学校や職場などに友人がいなかったと答えたのは54%。
交友関係が希薄だった者も含めると63%もいるという事実。
つまり無差別殺傷事件を犯してしまった人たちの過半数が、友だちがおらず(あるいは少なく)、孤立や孤独を抱えていたという事実!
その結果、不満の塊となり、恨みを持ち、嫉妬、ねたみというマイナス感情につきまとわれるようになりがちです。
ニーチェはそういった感情を「ルサンチマン」といいましたが、こういった感情は、自分を苦しめる感情であり、そういった感情からは極力距離を置いたほうがいいのです。
恨みや嫉妬、ねたみではなく、愛や友情を大切にしたほうが、人間はずっと楽に、そして楽しく生きていけます。
そして、人は人と接することで成長できる生き物です。
ときにひきこもるのは悪くありませんが、最終的に人は1人では生きていけません。
どうかいい友達、いい仲間をこれからでも作って、孤立や孤独に陥らないようにしていただきたいものです。
(参照;引用;http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130928-OYT1T00192.htm
2013年9月28日08時27分 読売新聞)
FHN放送局代表
巨椋修(おぐらおさむ)