ニートという言葉
“言葉”という葉っぱは、ひらひらと中空を舞いどこに落ちていくのかわからない。
言の葉ひらひらひらひらと、表になり裏になり、上に舞い上がり、下に落ちたりして、その正体すらよくわからなくなってくる。
そんなに軽い言の葉なのに、ぼくたちはその言葉の持つ力に呪縛されて、戦々恐々としていたりします。
そもそも、【ニート】という言葉が日本で使われるようになったのは、2004年からのことです。
この言の葉はたちまち全日本を席巻し、個人や家庭内のみならず、政治の世界にまで影響を与えるようになりました。
ニートという言葉はイギリスで生まれた言葉ですが、日本ほど普及しているわけではなく、イギリス人に「NEET」と聞いても、知っている人など少なく、ほとんど通用しないそうな。
本来、このニートという言葉は、"Not in Employment, Education or Training"
つまり「雇用されておらず、教育も受けておらず、職業訓練も受けていない」という意味ですね。では、本家(?)イギリスと日本との違いを見てみましょう。
【ニートの年齢】
イギリス 16歳〜19歳
日本 15歳〜34歳
なるほど〜、年齢からしてメチャメチャ解釈の違いがありますな。
【失業者を含むか】
イギリス 含む
日本 含まない
そもそも、ニートという言葉には、これといった【定義】が確定していないのですから、その定義をどうするかというのは、それぞれ発表する人が、「こう定義する」と、規定すればいいのです。
しかし、従来の日本語だと、20代の半ばから30代の人が働いていない場合、普通は【失業者】として認識されていたんですなあ。
また、イギリスや欧米の場合、10代の失業は大問題であり、同時にドラッグ、アルコール依存症、ヤング・ホームレス、女の子の場合、失業、ホームレスと妊娠が同時がやってきたりするんですな。
これだけを見ても、ニートという言葉がイギリスのものとは、大きく変化していると言えましょうなあ。
では、日本のニートには、フリーターを含めませんが、イギリスではどうなんでしょうか……?
これはよくわかりません。
正社員とバイトというより、バイトだろうがなんだろうが、仕事があるかないかの問題のような感じがしますね。
雇用形態が日本とイギリスでは、大きく違っており、フリーターという言葉は、日本で生まれた言葉なのですよ。
つくったのは、『フロムA』の編集長。生まれた時代は1983年。
だから比べ難いんですね。
また、ぼくの勉強不足で、欧米の企業における正社員と契約社員とバイトと言った、“身分制度”がどこまであるのかもよく知りません。
誰か知っている人がいたら教えてください。
ま、企業で働く人は全員、正社員だろうとバイトだろうと、契約社員であるはずなんですけどね。
また、家事手伝いっていうのがあるけど、ニートは、
【家事手伝いを含む】
場合が多いようです。
【家事手伝い】がニートであるとすれば、【花嫁修業中】の女性もニートということになる。(笑)
つまりね、ニートという言葉は、極めていい加減な言葉なんですよ。
最近では、窓際族や働かない社員のことを【社内ニート】
ひきこもりを【家庭内ニート】
専業主婦を【主婦ニート】
引退したお年寄りを【高齢者ニート】
と、呼んだりすることがあるようです。
これでは、ニートという言葉が、問題をより複雑化するためとか、あるいは、単純に人をバカにするために入ってきた言葉のような気もしますね。