好き嫌いはあっていいんです
最近は、お肉の値段が安くなって、むしろ野菜が高いなんてことがありますね。
「貧乏人は肉を食え!」
とでもいう勢いです。(笑)
さて、多くの親御さんや学校の先生は、子どもの好き嫌いを無くすべく日夜努力をしておられると聞きます。
時には、泣き喚き胃の中から吐き出しそうになる子どもを、怒鳴りつけ叱りつけながら、嫌いなものを食べさせようとする人もいると聞きます。
ずいぶん以前のことですが、ある学校では嫌がる子どもの口に、無理やり食べ物を押し込み、実はその子がアレルギーで、死亡するという事件もありました。
また、給食を残したり、遅いと何らかの罰則があるという場合も少なくないと聞きます。
まずね、子どもの体質や触覚は大人より敏感で虚弱なのですよ。
だから、どうしても好き嫌いが出やすくなる傾向はあります。
ですから、好き嫌いを無くすために、無理やり食べさせるよりも、他の工夫をした方がいいんです。
また、食事というのは、人間の体を作る基本ですし、人間関係を作る重要な場面で、楽しいひとときであるべきなんです。
そんな場面で、過度に怒鳴ったり叱ったりするのは、教育や指導という面で、正しいとは思えないのですよ。
そもそも、人間には、得手不得手、好き嫌いはいろいろな面であるものです。
これは、どんな人にもありますね。
この好き嫌いが、まったくなくなってしまったら、ただのロボットです。
例えば、これを読んでいるあなたが、独身女性として、
「結婚相手を好き嫌いなく選ばないといけない」
と、親に強要されたとしたら、どう思いますか?
隣りのA子ちゃんは、お金持ちのおぼっちゃんがお相手で、優しくて身長も高くてハンサム。
でも、あなたに割り当てられた相手は、もう老人で貧乏で大酒飲みで毎日女を殴るというタイプだったとしたら?
どこかのエライ人が、
「人間にも好き嫌いしちゃイケマセン! 誰に対しても平等に愛する必要があるのですから、アナタはこの人と結婚しなければイケマセン!」
なんていわれて、素直に納得できませんよね。
あなたが、男だとして……
まあ、わたしはあまり好き嫌いがない方なのですが、それでも、新垣結衣か、綾瀬はるかか、仲間由紀恵のどれかひとりを選ばないとイケナイなんて言われたとしたら……
ま、わたしは好き嫌いがありませんので、全部いただきますけどね!
好き嫌いはあってもいいんですよ。
ただ、あまりにかたよるのは、ちょっと問題ありとなります。
だから、かたより過ぎないように、ちょっと工夫をすればいいんです。
また、他の人の好き嫌いにあまり口出しするのも、いかがなものでしょうね。
これは食べ物や対人関係だけでなく、仕事や勉強など、いろいろな場面で言えることだと思いますよ。
わたしたちは、自分にも他人にも、もう少し寛容であっていいんじゃないでしょうか。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)