自殺はその人のせいではない
日本経済新聞の記事によると、若者の自殺が増えているそうです。
2012/6/8 10:42 −日本経済新聞より−
政府は8日の閣議で、2012年版の「自殺対策白書」を決定した。白書では11年の学生・生徒の自殺者数が1029人で、初めて1000人を上回ったと報告。自殺者数が急増した1998年を起点とした推移でも近年は20代の自殺率が高まっており、若年層の雇用情勢が悪化していることが影響していると指摘している。
平成不況といわれてから約20年たち、いまの若者は、豊かな時代をほとんど知らずに育ってきたきたといってもいいでしょう。
自殺と不況の関係は深く、ここ20年ほどの間、不況から脱出できない現実において、自殺者を
「精神的に弱い人」
と、断ずることは決してできません。
この20年の間に、大企業が倒産したり、日本から海外へ脱出したりしたのは、庶民の責任であったり、まして自殺した人が弱かったわけでも悪かったわけでも決してありません。
わたしたちの日常は、個人の努力で何とかなることと、どうにもならないことがあります。
それはどの年代でも同じ。
最初に引用した日本経済新聞の記事にも書かれているように
近年は20代の自殺率が高まっており、若年層の雇用情勢が悪化していることが影響していると指摘している。
と、近年では若者の自殺が増えており、その原因の一つが雇用情勢の悪化。
若者以外の年代でも、就職の大変さは一緒で、仕事がうまくいかない。仕事に就けないということが、その人の誇りを奪い、自信すらも奪い取り、最後には生きる望みすらも奪ってしまうことがあります。
しかしこの不況は、個人が頑張ってどうにかなるということじゃない。
少子化問題の責任は「子どもを作らない夫婦が悪いから」というわけではないというのと一緒。
ただ、社会というものを作っていくのも、個人ではなく、一人一人が集まった集団です。
もし、社会がうまくいっていないとすれば、一人一人が協力して、暮らしやすい社会を作っていくべきでしょう。
その暮らしやすい社会とは、強い者が弱いものを攻撃する社会ではなく、強い者は弱いものを守るような社会であるとわたしは思います。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)