嘘つき小僧の作り方
ぼくが、はじめて不登校経験者に取材をする前に、不登校経験がある人にこうアドバイスを受けました。
「おぐらさん気をつけなよ、ヤツらすっげぇ嘘つきだから」
その言葉は、少なくとも半分は当たっていましたねえ。
取材をした人は嘘つきじゃなかったんですが、ぼくにアドバイスをした人は、 相当な嘘つきでしたから。(笑)
まあ、人間という社会的生活を営む生き物は、嘘をつかずに生活するのは難しいんでしょうね。
ぼくの知る限り、嘘をついたことがない人間なんて、ぼく以外見たことないし。
なんにせよ、嘘というのは、あまりホメられたもんじゃないというのは事実です。
しかし、人は嘘をつくものです。
『不登校・ひきこもり・ニート』の人の中にも、正直になるのが難しい人がいます。
また、逆に正直すぎてつらい人もいます。
では。なぜ人は嘘をつくのか?
その理由は、自分自身の胸に手をあててじっくり考えればわかると思うんですよ。
そのほとんどは、自分の身と心を守るため、防衛のために嘘をついているんです。
話す相手がね、安心できる人だと、自分が失敗したときや都合が悪いときでも、正直になれるものなんですが……
安心できない人、いつも怒っているような人に対しては、自分の失敗とか隠したいじゃないですか。
つまりね、嘘ばっかりついている嘘つき小僧を作ろうと思ったら、いつも怒って怒鳴って、相手を暴力的に支配・管理すればいいんです。
会社だって、学校だって、上司や先生が、いつも怒っていると、失敗や遅刻をしたとき、怒られたくないから、なんとか誤魔化そうと思うじゃないですか。
逆に上司や先生が、失敗を許す度量の広さがあると、正直に失敗をしたことが言えるもんだと思います。
嘘つき小僧の作り方
これはね、子どもでも大人でも同じで、いつも嘘ばかり言っている人、世間体を必要以上に気にしている人、見えばかり張っている人って、どこかでそうしなきゃならない抑圧を受けてきたんだと思うんですよ。
相手に正直になってもらいたいなら、余計な抑圧を与えないこと、暴力や恐怖で相手を支配しようとしないことでしょうね。
あと、許すことって大切だと思いますよ。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)