京都祇園の事故と「てんかん」への偏見
京都・祇園で自動車の歩行者18人をはね、7人が死亡、11人 が重軽傷を負うという大惨事が起りました。
運転手には「てんかん」という病気があったといいます。
てんかんとは、痙攣や意識障害を起こす脳の病気で、その発病率は100人に1人という
「わりとよくある病気」です。
ちなみにやはり精神疾患の一つである「統合失調症」も100人に1人。うつ病は100人に15人が生涯で一度はうつ病にかかるといわれています。
京都・祇園での事故では、運転手がてんかんの持病があったため、その病気のせいではないかと、大きく報道され、ネット上ではいろいろな「てんかんバッシング」が起こりました。
「てんかんと生きる」というブログを書いておられる月田陽三さんのところには、たくさんの誹謗中傷や嫌がらせのコメントが送られてきたといいます。
http://ameblo.jp/moonsun3/entry-11222751995.html
まだハッキリとは分かっていませんが、どうもこの事故は「てんかん」のせいではなく、殺人事件として捜査が行われているようです。
てんかんにせよ、他の精神疾患にせよ大変、差別と偏見が強くある病気ですから、そういった病気を持つ本人や家族には、それでなくてもストレスとプレッシャーがかかります。
病気への偏見や差別のために学校に行けなくなったり、仕事ができなくなってしまうこともあります。
今回の事件にしても、最初はタクシーに追突し、その後一度車をバックさせてからすり抜けるように走り去ったといいます。
このとき運転手は「事故が起こったことがばれると、自分がてんかんであることがばれ、職を失うかも知れない」という恐怖が起こり、無我夢中で現場から逃げ出したのかも知れません。
ちなみにてんかんの場合、薬を適切に飲んでいると、かなり発作を抑えることができるそうです。
この運転手の場合、警察の家宅捜索で部屋から数百錠の薬が押収されているところから、はたしてどれだけ正しく服薬していたかが疑問として残ります。
ただ、事故後の調べで運転手の血液中に抗てんかん薬の成分が検出されてはいますが、「数百錠」の薬というからには、抗てんかん薬だけではなく、他の薬も大量に処方され、その薬を溜め込んでいたのかも知れません。
精神科の薬の場合、患者がそうやって溜め込んだ薬を大量服薬してしまうことが、ときどきあります。
今回は、病気への偏見やバッシングと、薬についていろいろと思うことがある事件でした。
巨椋修(おぐらおさむ)