無欠席記録に挑戦!でも一歩間違えれば……


2012年2月26日の朝日新聞による記事です。

ある高校のクラスが一年間無欠席記録を目指してがんばっているというものです。

ネットで話題になったことであり、でも実名が出ていたり、生徒さんもいることですから、このブログに書くことは遠慮していました。

もう年度も替わったし、ネットの熱も冷めたのでいいと思い、話題にしようと思います。

達成なるか、クラス全員年間無欠席 東海大四高3年5組


札幌市南区東海大四高校(白川裕久校長)3年5組のクラス全員35人(男子25人、女子10人)が、1年間無欠席で学舎(まなびや)を巣立とうとしている。記録達成は1964年の開校後一度あるだけで、残る登校日は29日の卒業式練習と3月1日の卒業式の2日間。学校側はこれまでの生徒の頑張りと団結の強さに拍手を送っている。


 担任の河上清孝教諭(60)によると、クラスでは昨年4月下旬、「無欠席・無遅刻・無早退」が続いたことから、クラス全体が「記録」を意識し始めた。けがをした運動部員や具合が悪そうな生徒をクラスメート同士で気づかい、携帯メールや電話で励ましあった。


 昨年9月、体調不良で欠席が確実と思われた女子生徒が登校した時は、教室内に「来た〜」と歓声が響きわたり、「クラスが楽しいから来たんだよ」と女子生徒は答えた。河上教諭は「感激しました。生徒全員の心が一つにまとまっていたんでしょう」と振り返る。


 授業は1月31日に終わり、現在は家庭学習期間中。生徒たちは「クラス全員1年間無欠席」の快挙達成を目前にしながら、3月1日の卒業式を待っている。(亀山敏)


−2012年2月26日 朝日新聞より−
 


この記事だけ読むと、なんともほほえましい感じがします。


しかし、この記事が評判になったあと、次々と非難が起こりました。


原因はこのクラス通信と思われます。

通信は以下のごとく。



要点だけピックアップしましょう。


・4月6日の始業式から4月25日まで無遅刻無欠席パーフェクトが続いた。5月26日男子生徒の親から病院遅刻か欠席と連絡があった。4時間目に登校。


・5月6日に男子生徒が欠席することになったが、このときは医者からインフルエンザと診断され「出停」扱いになったため記録は続く。このときクラスメイトから「危ねー!」うい声がして、クラス全体が無欠席記録を意識しだしていると担任は思う。



・6月17日に事件が起こった。女子生徒の親からで「体調が悪く休みます」と。「大会前でもあり無理です」とのこと。担任は朝のSHRで「終わりました」と報告。クラスメイトは「は〜」っと怒りマーク100%。


・しかしその女子生徒は、クラスの何人もが「休むなよ!」とメールやら電話があり、出席してきたらしい。


・担任いわく「この日をきっかけに3年5組は一つになった」


・担任いわく「その後は、40度近く熱があっても点滴を受けての登校や、インフルエンザか否かで高熱の中、病院と学校を行ったり来たりした生徒もいた。結局、其の生徒は風邪であったが、インフルエンザと判断して欠席していたらすべて終わっていた」


・担任いわく「担任の思いは複雑だった。無理矢理に学校に来させるつもりは毛頭無かった。記録よりも目標への意欲、何か一つでもクラス全体で頑張りきった証(想い出)が欲しかっただけなのである」


・担任いわく「無欠席100日目(9月26日)にもなるといつの間にか強制的に来させているような気がした」


・担任いわく「そんなある日、誰かが「クラス楽しいから来てる・・・」と言った。担任は嬉しかった」とのこと。

以上です。この件につき、ネット上で賛否があり、そのことは学校サイドも知っているとのこと。


ぼく自身は、このクラスの内実をまったく知らないので、なんともいいようがないのですが、ひとつ間違えればイジメになったり、あるいは、体調不良の生徒が、他の生徒から電話やメールで、無理やり登校させられるとしら、ちょっと気味が悪い。


いえ、この生徒や担任の先生を非難しているわけじゃありません。

担任の先生ご自身、そのことをとても気にしておられ誠意と優しさを感じます。

そして、このクラスは、うまくいったのでありましょう。


でも、もし本当に具合が悪かったりして、休んだ生徒がいたら、きっとつらい思いをしたんだろうなと想像してしまいました。


ひとつ間違えれば、ちょっと怖いね。



FHN放送局
巨椋修