ひきこもりと精神障害
精神科医の春日武彦さんは『専門医が答えるQ&A 統合失調症』(主婦の友社刊)の中で、
「引きこもりの半分くらいは、統合失調症が原因」(P19)
と、書いておられます。
たしかに、わたしが個人的に見てきた限りの感想なのですが、『不登校・ひきこもり・ニート』などに関して、ある程度長期にわたって苦しんでいたり、悩んでいたりする人のほとんどは、つまり8割くらいは、なんらかの精神障害、もしくは発達障害などにかかっているのではないかと感じています。
これもわたしが、見てきた限りの感想なのですが、そういった障害にかかっていない人の多くは、それほど長期に渡らずに、社会に戻っていくように思えます。
そして、精神障害にかかっており、『不登校・ひきこもり・ニート』に悩んでいる人ほど、自分の障害について認めようとせず、ちゃんと治療を受けていなかったり、治療の途中でやめてしまったりする傾向があるように思えるのです。
基本的に、精神障害は、治療が早ければ早いほど、回復も早いとされていますが、長期化する『不登校・ひきこもり・ニート』の場合、途中で治療をやめてしまって、逆に病気を慢性化させる傾向があるとさえ、思えるのです。
統合失調症の場合、よく幻覚・幻聴などが聴こえる病気と考えられていますが、それらは一症状に過ぎず、多くの場合、無気力になったり“生きづらさ”に苦しむという症状が主なものだといいます。
そして、統合失調症の場合も、1日でも早く薬物治療を行なわないと、治療が難しくなるとさえいわれている病気です。
もし、ご自身やご家族に、「もしかしたら、そういった病気なのかも……」と、思えるとしたら、その考えを打ち消すのではなく(打ち消したところで、もし病気であれば、治るわけではありません)、専門医に相談にいっていただきたいと思います。
統合失調症にせよ、うつ病にせよ、大変死亡率(自殺率)が高い病気でもあるわけですから。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)