薬物乱用と機能不全家庭
ずいぶんと前のことになりますが、、『こわれ者の祭典』で有名な月乃光司さんが主催する『ストップ!薬物汚染!』というイベントに行ったことがあります。
「薬物乱用」とは、アルコール、覚せい剤、シンナーなどをやめられなくなることをいいます。
このイベントに出演なさっていた上岡晴江さん(薬物依存症施設ダルク女性ハウス代表・薬物依存症回復者)が、こんなことをおっしゃっていました。
「薬物乱用をしてしまう人のほとんどは、家庭になんらかの問題があります」
これは、『不登校・ひきこもり・ニート』の方々の中にも、少なからずみられることであったりします。
そこで、薬物乱用など、多くの依存症を治療している『赤木高原ホスピタル』のホームページを検索してみたところ、以下のような文章がありましたので、引用させていただきます。
[薬物乱用者を生む機能不全家庭]
マスコミでは、「好奇心から、あるいはやせるために簡単に薬物に手を出してしまう現代の若者」といった論調の表面的なとらえ方が目につきますが、薬物乱用者と時間をかけて話し合ってみると、もっと深いレベルの問題が見えてきます。
実際には、彼らのほとんどがいわゆる機能不全家庭の出身者です。「ありのまま」がすばらしいのだという親からのメッセージをもらっていません。
自尊心が低くて、自分がありのままで愛される価値があるとは思われず、実際にありのままで愛されているという実感がなく、自分を大切だと思う意識が低いのです。
そういう人は「薬物によって自分を変える」という誘惑に勝てません。
治療者として薬物乱用者を理解するためには、そういう無条件の愛をもらえなかった子供たちの心の痛みや苦しみに共感する能力が必要です。
[若年女性の薬物乱用者]
若年女性の薬物乱用者たちの多くは機能不全家庭に育ち、しばしば学校でのいじめなどの被害者となって自尊心を傷つけられています。
思春期になって失意のうちに誘惑の多い環境に近づき、そこで仲間や悪い成人に誘われていとも簡単に覚せい剤に手を出してしまいます。
最近は、テレクラや援助交際で知り合った男から薬物を勧められるケースが増えています。
一度覚せい剤に手を出すと、薬物の魔力から逃れるのは極めて困難です。
薬物乱用を始めた少女たちは手っ取り早くクスリ代を得るために、ほとんどの場合セックス産業に取り込まれます。
このようにテレクラと援助交際は薬物汚染の温床です。そして薬物と売春は、現代の少女たちにとって転落の象徴です。この2つを始めた少女たちは悪循環の回路に入り、転落の一途をたどります。
さらに、薬物依存症施設ダルク女性ハウス代表の、上岡晴江さんは次のようなこともおっしゃっていました。
「でもねえ、薬物乱用の人って、もしかしたら、薬物をやっていなかったら、自殺していたかも知れない。薬物で捕まった酒井法子さんだって、死んでいたかも知れない」
ただし、心の隙間を埋めるために、薬物を使用するのは、あまりにもリスクが多すぎるとのこと。
やはり、このときのイベントの出演者で、覚せい剤で逮捕された田代まさしさんも
「違法薬物をやると、すべてを失います」
とのことでした。
このイベントの後、しばらくして田代さんは、また覚せい剤に手を出してしまい逮捕されています。
いかに覚せい剤や麻薬が恐ろしいということか……
最後に、薬物乱用、薬物依存症は、なにも覚せい剤や麻薬だけではなく、お酒や精神薬、あるいは市販薬などでも起こります。
心の隙間を違法薬物で埋めるのは、間違いです。
合法の薬物でも、ドクターや薬剤師さんの指示に従って使用してください。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)