精神障害とオカルト
ぼくはSFやオカルトが好きだったりします。
好きがこうじて一年前にビートたけしさんが毎年年末にやっている『ビートたけしの超常現象マル秘Xファイル2010』にゲストとして出演してしまったくらいです。
ですから、これから述べることは、オカルト好きの人は精神を病んでいるとか、そういった意味ではないことを理解していただきたいと思います。
さて、オカルトと精神疾患について、ひとつ困ったことがあるのですよ。
SFやオカルトはぼくの仕事の一つなのだけど、このSFやオカルトとメンタルヘルスとはまったく無関係ではありません。
精神医学や心理学の中に「魔術的(呪術的)思考」(Magicalthinking ・マジカルシンキング)というものがあります。
いわゆる迷信や占い、超能力や超常現象、霊現象、あるいは空想上の事柄や頭の中に思い浮かんだことをなどをそのまま信じ込んでしまうというものです。
これらは広義な意味で【宗教】の範疇に入るもので、必ずしも悪いとも限らないが、ときとして統合失調症の人が、発症する前段階として見られることあるといいます。
統合失調やPTSD(心的外傷後ストレス障害)、アルコール依存症の人は、幻聴などの幻覚を感じることがあります。
それら幻覚のほとんどが悪罵などろくなことを言いません。ときとして「相手を殺せ!」とさえいうことがあります。これが「悪霊の声が聞こえる」「この声は●●の祟り」「●●の呪い」となると、オカルトになってくるわけです。
さらに、統合失調症の人は「世界没落体験」(世界が破滅してしまうと確信する心理)が多く見られるそうです。これが宗教的になってくると、「終末論」「ハルマゲドン」「●●の大予言」となってくる。
他にもオカルトと精神疾患が関係あるものとしては、「狐憑き」「悪魔憑き」という憑依現象もあります。
これら「憑きもの」も、多くの場合、統合失調症などの病気であることが多いのです。
残念ながら、いまだに精神疾患への偏見のために、精神科に行かず、町の霊媒師や拝み屋さんに行って、重症化している人がいると聞きます。
軽い神経症レベルなら、霊媒師や拝み屋さんのお祓いで何とかなるかも知れませんが、統合失調症や重度のうつ病、躁うつ病だと悪化させるだけです。
現実的にいうと、お祓いや浄霊などとの名目で、真冬に滝に入れたり煙でいぶしたりして、毎年何人もの人が殺されていたりするのが現実だったりします。
「魔術的思考」にしても「お祓い」にしてもそれが悪いとは言いませんが、それと医学的治療は別に考えなければなりません。
いまどき、盲腸やインフルエンザに罹ったとき、「これは悪霊の仕業である」とか「先祖の祟りである」とかいって、我が子を煙でいぶしたりた滝行をさせたりする親はいないでしょう。
しかし、精神疾患のみは、いまだにそれがあるのです。
あと参考までに、「スピリチュアルと心の闇」なんてのも挙げておきます。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)拝