精神しょう害と精神病の違いとは何か?
いわゆる「心の病」には大変多くの種類があります。
そしてその区分はいささかややこしくて、素人にはわかりにくい。
たとえば精神しょう害と精神病の違いは何か?
と、言われても多くの人には「?」でありましょう。
で、わかりやすく解説。
●「精神しょう害」とは、精神の異常や偏りを示す広い概念。
・神経症 ・パーソナリティしょう害 ・心身症 ・心的外傷後ストレス障害
・解離性同一しょう害など。
●「精神病」とは、精神しょう害より重度(量的な違い)で、幻覚や妄想など“奇妙”な症状を示す(質的な違い)。
・統合失調症 ・気分しょう害(うつ病、双極性しょう害など)
・非定型精神病(統合失調症とも気分しょう害とも分類できないもの。あるいは両者の合併・混同型を含む)
・器質性精神病(脳そのものの器質的な変調よる起こる。認知症や意識障害。薬物等による精神病など)
などがあります。
(引用・参照;「心の病と精神医学」−影山任佐著−)
つまり「精神しょう害」という大きなワクの中で質量とも重い病気である統合失調症、気分しょう害(うつ病・躁うつ病)、非定型型精神病、器質性精神病が、
「精神病」ってこと。
では「神経症」とは何か?
「神経症」はストレスなどよって引き起こされ、患者は現実性や人格を保ち、自分が病人であるとの自覚も有している。また神経症は一時的、一過性のもので短期間で軽快することも少なくない。
ただし、上記は“古典的な定義であり、近年では神経症にも身体的要因が認められることが知られている。
(引用・参照;「心の病と精神医学」−影山任佐著−)
わかりやすく書いたつもりだけど、やっぱりややこしいね。
精神しょう害にしても、精神病にしても、ドクターが診察したときにときどき「病名」が変わったりすることがあります。
これは、同じ病気でも複数の名前があったり、あるいはひとつの病名とハッキリと決めることができにくいといった事情があるようです。
また、近接した病気の場合、少々の診察では見分けがつかなかったり、おおよその病名をつけ(これを見立てといいます)、様子を見ながらより良い治療を探っていくものだそうです。
逆に言えば、「名医ほどあいまい」なのかも知れません。
もちろん慎重という意味でね。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)