ニート〜中学卒や高校中退者ほどその確率は高い


※05年に書いた記事の再録です。いささかデータが古いですが参考になればと思います。



厚生労働省の調査で、ニートになる人と学歴との関係があきらかになっています。


05年6月22日の毎日新聞によると、


『15〜34歳の男子の場合、中学卒(高校中退者を含む)120万3000人の中で、ニートになっている割合が9.8%

高校卒582万6000人中では3.6%

短大・専門学校卒179万3000人中では1.2%、大学・大学院卒369万3000人中では1.3%』


という数字が出ています。

ニートやひきこもりは男性のほうが多いんですけど、男女ともに高学歴ほどニートの率が低い傾向にあるようです。


つまり、圧倒的に中卒が多い。ついで高卒が多いという結果です。

これは、厳粛な事実として受け止めないといけないでしょう。



ちなみに、就職をした後、3年以内に仕事を辞める離職率も、中卒、高卒、大卒の順番で


「7・5・3」(シチゴサン)


と言われていて、就職3年以内に、中卒は70%以上が職をやめ、高卒は50%以上が職をやめ、大卒の30%以上が離職するといわれています。

その中には、再就職できずにニートになったり、フリーターになったりする人もいるのもまた現実です。


さらにいえば、刑務所に入っている人たちの最終学歴をみれば、その9割以上ほどが、中卒・高校中退であるというのも事実のようです。


わたしは学歴をとやかく言うつもりはありませんし、転職を繰り返すのも、フリーターで生活するのも、人それぞれ。


また、この数字をみて、親御さんが


「うちの子は、高校や大学に行っていないから……」


といった、心配をするのは、無理からぬことですが、過ぎたる心配はご無用。

確かに、高学歴のほうが、就職チャンスは多いのは事実ですが、本質は学歴なんかじゃないんですよ。


個々の家庭の考え方、ひとり一人の考え方、感じ方、生き方、そして能力なんです。

ニートというのは、「働く気も学ぶ気もない若者」のことですから、問題は学歴よりも、本人の気持ち、学ぶ気持ちが、大事ということになります。


ニートというのは、善でも悪でもないんです。


その人がいかに生きるか……


これが大切なんです。


そこで、ご本人や親御さんは、ある程度しっかりと考えておく必要があります。


中卒や高校中退であったとしても、高校卒業認定を受けて、進学を考えるとか、何か腕に職をつける。


ただ、『不登校・ひきこもり・ニート』系でもっとも心配されるのが、それ以上に


“根本的なやる気”がなかったり


“やる気があっても、親やその他から妨害されて、やる気そのものを失ってしまう”


あるいは“それ以前の人間関係に傷ついてしまい、人が怖くなっている”という状況に陥っているときでしょう。


そういった状態になってしまっていたとしたら、本人や家族だけでは対処が難しくなりますので、公共機関や医療に相談をして、他からの助けを求めたほうがいいかも知れません。



『FHN放送局』
巨椋修(おぐらおさむ)