児童虐待:昨年度、5万件超 相談28%増加
厚生労働省の調査によると、10年度の児童虐待の相談件数が5万件超え、相談28%増加したとのこと。
ちなみにこの数値に東日本大震災の影響が強い宮城県、福島県、仙台市は含まれていないとのこと。
ちょっと毎日新聞 2011年7月20日 東京夕刊の記事を引用させていただくと
厚労省専門委員会が09年4月〜10年3月に発生した児童虐待死(心中を含む)77件88人の死亡経緯などを検証したところ、児相が関与していたケースは18件、心中以外で死亡した子供の4割の20人が0歳児だった。
と、児童相談所が関わったケースが4分の1程度だったことがわかる。そしていかに赤ちゃんが親に殺されているかがわかる。また
専門委が03年7月〜10年3月に生後1カ月未満で虐待死した乳児69件77人を分析すると、出生日に死亡した子が67人。このうち17人の実母は19歳以下だったが、35〜39歳の子も13人いた。
という記事が続く。
「児童相談所はもっと活発に動くべき」という意見の多々あるんだけど、人員や予算の不足もあり、そうもいなかないそうな。
また、虐待されている子どもに、積極的「強制立ち入りを……」という意見もあるんだけど、そこには【人権】とか【プライバシー】とかいう問題が立ちふさがってくるんだね。
また、一部の親にはその【人権】や【プライバシー】を盾にして虐待を隠そうとする人もいたりする。
また一部の親に、子どもが「不登校」や「ひきこもり」だから、他人と会おうとしないという主張をする親もいる。
いまでも一部不登校やひきこもり支援団体が、学校や児童相談所などが、子どもに面会をするのは「子どもにショックを与えるからよくない」と主張していたりするんだけど、これは悩ましい問題だね。一歩間違えれば「虐待支援」になりかねない。
児童虐待について、ちょっと嫌な情報があるので、ここではふさわしくないかも知れないけれど、付記しておこう。
児童虐待と親の学歴というのは、実は深い関係があって、10年位前の調査結果なんだけど、虐待をしてしまう親の40%くらいが、中卒もしくは高校中退。
大卒で虐待をしてしまう親はほんの2〜3%という報告もある。
(※ここで注意;学歴が低い親はみな虐待をするということではない。虐待をする親は全体でみても一部なのです)
ただ、今回の報道でみてもわかるように、赤ちゃんを殺してしまう親は、
【乳児69件77人を分析すると、出生日に死亡した(虐待もしくは生み捨てと考えられる)子が67人。このうち17人の実母は19歳以下】
という記事に現れているように、母親自体が自立できていない結果ではないかと推測できます。
また、【35〜39歳の子も13人いた】ともあるけど、こちらも同様、母親が自立できていないか、背景に貧困や無知などがあるのかも知れない。
もしそうだとすると親もかわいそう、子どももかわいそうな結果です。
つまりこういった虐待を減らそうと思えば、経済も大切。教育も大切ということになるね。
日本経済とかは、個人ではどうしようもないところがあるけれど、個人や家族の経済や、個人や家族の教育っていうのは、本人や家族次第で改善する可能性は大きい。
ただなあ……
改善とかが必要な人ほど、そういったことに興味がなかったりするんだよねえ……
児童虐待の場合は、せめて児童相談所なりに相談をしてほしいと思います。
『FHN放送局』
巨椋修(おぐらおさむ)