子どもが学校にいかなくなったら
もし我が子が、学校に行かなくなったら……
多くの親は、「どうしてだろう?」と悩み、子どもを心配します。
いじめにあったのではないか……?
病気ではないか……?
友だちとうまくいっていないのではないか……?
いろいろなことが頭をよぎることでしょう。
場合によっては、親が原因ではないかと、心配している親を攻撃する人がいるかもしれません。
あるいは自分の育て方から悪かったのではと、自分を責める親もいることでしょう。
ありがちなのは、「ともかく子どもが学校に行ってくれさえすれば……」と、子どもを強制的に学校に強制連行しようとすることです。
不登校の原因は、たくさんあり、またひとつの理由で不登校になるというものでもないのですが、ともかくなんらかの理由で“行けない・行きたくない”と、思っているから学校にいかないのです。
理由を聞いても“親にだけは”言えないと思っていたり、あるいは言いたくても、恥ずかしかったり、気持ちをうまく言語化できなくて、親にいうことができないということがほとんどです。
一説によりますと、いじめ自殺をした子どもの親は、ほぼ100%子どもがいじめにあっていたということを知らないといいます。
親は子どものことを、なんでも知っているつもりかも知れませんが、実際には、それは一方的な勘違いでです。
それは親子に限ったことではなく、人というのは、他の人が何を考えているかを知ることはできません。
ほとんどの場合、わかっているつもりで生活しているのです。
さて、「もし我が子が学校に行かなくなったら」というお話しですが、このとき一番に考えなければいけないのは、
「どうすれば学校に戻すことができるのか」
ではなく
「どうすれば、子どもが元気になるのか?」
という一点につきます。
子どもが学校に行かないのは、学校に行けないなんらかの心理的プレッシャーがあるからでしょう。
心にプレッシャーがあるということは、弱っているということです。
弱っている子どもに、親が厳しく説教する
↓
子どもは潰れる
↓
事態はますます悪くなる
↓
親が焦って、もっとプレッシャーを与える
↓
子どもはますます心を閉ざす
こういうことを繰り返していきます。
そういった悪循環を繰り返し、親子共々疲れきってしまうより、もっと大切なことがあります。
「どうすれば子どもが再登校するか?」ではなく「どうすれば元気になるか?」
ということを一番に考え、子どもが安心して不登校できる環境をつくってあげることです。
子どもは学校に居場所がないから、学校に行けない。
そんな子どもに対して、家でも親が説教やプレッシャーをかけるということは、子どもにとって、学校にも家にも居場所がないということになります。
まず、不登校になってしまった子どもには、安心できる環境を作ってあげ、子ども自身に
「ぼくは(わたしは)、この家に居てもいいんだ」
と思えるようにすることです。
くれぐれも
「あなたが学校に行かないせいで、お母さんはつらいし、悲しいの」
と、いう言葉や態度はやめるようにしましょう。
つい、
「あんたのせいで、わたしは我慢しているのよ」
ということを“知らしめるために”、ため息をついてみたり、皮肉や小言をいってみたくなりますが、100%逆効果になります。
そういう言葉や態度は、子どもに
「ぼく(わたし)なんか、いないほうがいいんだ、生まれてこなければ良かったんだ」
と、思わせることになります。
また、子どもに安心を与えると同時に、家族は近すぎて、真の姿が見えないので、理解ある家族会、医師やカウンセラーに相談するといいでしょう。
そして、親自身がプレッシャーを感じないことです。
母親が楽しそうにしていると、家族も楽しくなってきます。
不登校がこじれて、ひきこもりやニートになってしまっている場合をみると、ほとんどはこの逆パターンです。
「不登校は親ががんばれば、がんばるほど悪い方向にいく」
というものですから、親は子どもの不登校を認めて、自分自身もときどき生き抜きして、楽しく生きるという方法が、どうもうまくいくようです。