結婚問題
巨椋修(おぐらおさむ)
数年前の調査ですが、国立社会保障・人口問題研究所が、未婚の男女8734人を調査した結果によれば、「いずれ結婚するつもり」という女性の割合が90パーセント、男性は前87パーセントほどいます。
つまり圧倒的多数
ほとんどの人が「いつかは結婚するつもり」であるらしいのです。
しかしながら、「交際している異性がいない」女性44.7パーセント。
半数近くが「カレシなし」だったりするんですね。モテない男はこの事実を励みにして、大いに頑張っていただきたい。(笑)
「1年以内に結婚したい」と答えた男性は、自営業者の60.5パーセント、正社員の56.3パーセント。
一方、パート、アルバイトの人で「1年以内に結婚したい」と答えたのは29.5パーセント
この数字は何を表しているかと言うと、収入の差と、将来の不安感です。
いわゆるフリーターの人は、カノジョがいたとしても、
「すぐに結婚しよう」
と言いにくいんです。
結婚っていうのは現実ですからね。
「だから、フリーターやニートってのはダメなんだ! 男はしっかり働いていないとな! この親のスネかじりどもめ!!」
と、憤っている独身正社員諸君。
ではキミは、結婚費用がどれくらいかかるかごぞんじかね?
まず、結婚情報誌『ゼクシィ』の調査によると、結納から挙式・披露宴、新婚旅行などなどに約460万円 かかるのだよ。
なに? それくらいなら、二人でちからを合わせ、全貯金を合わせればなんとかなる?
エライ!
さすがです。でもその後の生活はどうすんの?
この460万円にさらに『新生活準備費用』というのが必要になる。
家具・寝具・家電・賃貸費用、引越し費用などなどだ。これが約263万円 ほどかかる。
460万円+263万円=724万円
これが『結婚総費用』と言われる金額である!
「だから、フリーターやニートってのはダメなんだ! 男はしっかり働いていないとな! この親のスネかじりどもめ!!」
と言っていた諸君。
諸君たちの中で、いったい何人が親のスネを齧らずに結婚・結婚式ができるのだね?
と、皮肉のひとつもいいたくなりますね。(笑)
いいかね。
答えは実にカンタンなんです。
子どもにしてみれば、齧れるものであれば、大いに齧ってよろしい。
親にしてみれば、「こんなバカ息子(娘)のために、大切なお金を出したくねえ」と思うのなら、1銭も出すことはない。
あるいは、「このくらいなら協力できる」
「このくらいなら貸せる」
でもよろしい。
子どもに対して、金利を取ってもよろしい。
貸した金が返せないなら、弁護士に調停を依頼してもよろしい。
すべては“契約”であり“お約束”です。
さて、親を当てにできない・したくないカップルはどうするか?
それぞれで何とかすればいいだけのことです。
ひとつ言えるのは、世間体なるものに、振り回される必要はない。
これは子にしても親にしてもである。
「じゃあ同棲でいいじゃないか」
という人もいるかも知れない。
違うのだよ。
同棲と結婚は、まったく別種のものです。
それは法的とか世間的とか、税金とか社会保障とかという意味ではなく、まったく別種のものなんです。
どう違うのかは、いまは言わない。
みなさんで、それぞれ考えてください。
何にせよ、結婚問題というのは、人間にとってとても大切なものです。
そして『ニート・フリーター・ひきこもり』という人たちにとって、それが難関であることもまた事実です。
結婚しろとも、するなとも言いません。
それぞれで考えてください。