いじめ自殺について 2


文部科学省の発表によると

児童生徒たちの自殺が、1999〜2005年度のあいだに、全国で毎年百十数件起こっているが、


学校におけるいじめが原因での自殺は、この7年間ゼロ件


という数字があがっていたことがあります。
(現在、この数字は修正されている)


前回、「学校の隠蔽体質はあまりにもひどい」と、いうことを書きました。


実はこれ,
その時代から、それほどは変わっていない。


その隠蔽体質は、ほんとうにひどい。

かつてわたしは、いじめ自殺してしまった中学生の親御さんに取材をしたことがありました。


親御さんは情報公開法にもとづき、自殺後の職員会議等の議事録を要求しました。


そして帰ってきた議事録を読むと……


読めないんです。


文章の9割がマジックインキで、塗り消されている。


当然、何が書かれているかなんでわからない。


どの職員が、職員会議に出席していたかもわからないんです。




数年前にある地方で中学生のいじめ自殺が起こったことがあります。


そのとき、あまりにも“あからさま”に出たのが、学校側の“いじめ自殺処理”のやり方。


親御さんは、何もしない、何も教えてくれない学校側に対して、無記名での「アンケート」依頼する。


しかし、学校側の指示で、学年、クラス、名前を署名したアンケートを生徒に書かせます。


無記名ならば、


「ぼくはいじめを知っていたけど、止められなかった」


「ついやってしまった」


という本音を書く可能性が高くなりますが、著名したものであると、その確率は、かなり低くなる。


しかも、学校側はそのアンケートを最初、親御さんに見せようとしなかった。


そこには、 いじめがあった。


ということが書かれていたからです。


それまで、学校側の記事では、「いじめを確認できていない」という紋切り型の答えであったのです。


さらにそこには、一年のときの担任教師の自殺した生徒へのいじめがあったことが、複数書かれていたのです。


学校側がいじめを確認していないというのも嘘でした。


担任教師は、やがて自殺した生徒をいじめられていたことを認めます。


しかし翌日……


校長の会見では、「いじめは認めます。しかし、いじめが自殺の直接の原因となったかはデータが少なすぎて、いじめが自殺の原因となったとは考えていません」


という答えになる。


ただし「いじめが、自殺を誘発した」ことについては認めています。



一体なんだ!


このあからさますぎて、悪い冗談のような発表は?


この隠蔽主義!


この自己保身!


亡くなった生徒さんや、もしかしたらいじめてしまっていたかも知れない、大勢の児童への思いやりはないのか?


すべては、なかったことで済ませたいのでありましょう。


次のようなことも学校では起こっています。



女生徒が先生にレイプされた。


教頭と校長がやってきてこういうんです。


「レイプした教員は他の学区に移動させますから、ご安心ください。

それから、もしこの事件が他に漏れますと、女生徒の将来に傷がつきますから、穏便にすませましょう。

何事も、この女子生徒のためです」


他の生徒に輪姦された女子生徒がいました。


学校側の答えは同様です。


「もしこの事件を訴えれば、あなたの娘さんは一生お嫁に行けなくなるほどの傷になります。ここは穏便に」


その結果、輪姦した複数の男子生徒は、お咎めなしで通常通り学校に通い。

女子生徒は不登校になりました。



両方とも現実にあった話しです。




実際、いじめが原因で自殺した児童生徒がいても、それは、「その児童生徒の個人的な理由で自殺した」ということで、すまされてしまいます。



いま、死のうと思っているあなたへ。



あなたが死んでも、おそらくそれは、無視される可能性が高い。


今回紹介したいじめ自殺では、数箇所に「いじめが原因で自殺します」と、書き残していたにもかかわらず、学校は


「いじめがあったことは認めるが、いじめが自殺の直接原因と考えていない」


と、発表してしまっていたのだから……


だから死に損になる確率は高い。だから生きろ。


それから、学校に言いたい。


もうお決まりの隠し事はやめましょう。



その方が、事態を良くします。









不登校・ひきこもり・ニートを考える FHN放送局代表』
巨椋修(おぐらおさむ)