教職員の心の病 過去最多


文部科学省の調査で、09年度でうつ病など精神疾患で給食している公立学校の教職員が、過去最多となったことがわかったそうです。
 
なんでも、病気休職中の病名で、精神疾患によるものが63%。

精神疾患での休職は1992年度は1111人だったが5458人となり、、17年連続で増加。

09年度は教職員全体の0.6%に達したとのこと。

年代別に見ると、40代35%、50代以上39%という中高年が多いそうな。


なんとも痛ましいことです。

また教員の過半数が、疲れや気力が出ないという心の異常があると言われており、ここ何年もの間、問題となっています。

子ども達を教え導く役目を担っている教師自身が、精神に疲れや異常をかかえているというのは、子どもをあずける親御さんにしても、社会にしても不安になってくるでしょうな。

まして、子どもをあずける側としては、先生を選べない。

いい先生につくか、ひどい先生につくかは、一種のバクチみたいなもので、運が悪ければ、子どもにとって最悪の一年を送ることになりかねない。

ひどい先生に当たったとしても、そうそう担任を代えてくれとか、クラスを代えてくれなどと言いにくい。


いっぽう、先生の立場になれば、これもいささか悲惨で、やっぱり生徒を選べない。

親の中にも、相当にヒドイのがいて、その対応の大変さは、考えるだけで気の毒になることもありますね。

学校の先生というのは、指導要綱等でガチガチに締め付けれていて、自由な教育などできないのが実態です。

逆に自由に教育されていては、全体的な視野から見れば困るので、これは仕方ないともいえるでしょう。

公教育という組織は、ありとあらゆる家庭の子どもを受け入れねばならず、その面では柔軟であらねばならず、逆にいろいろな規則に縛られており、何にもできない。

何にもできないけど、何でもしなければいけないというギャップがあり、現場の教員の心労が重なるというのは、わかるような気がします。

そして、過半数の教員が、心に何らかの異常があるともいいます。。

この実態をみれば、教師を目指す若者に


「やめた方がいいよ」


とさえ言いたくなってきます。


不登校の児童生徒の中には、親が教員であるという場合も多くてね。

アメリカでは


「牧師の子どもは不良になる」


という言葉があるそうなんですが、日本だと


「教師の子どもは不登校になる」


とさえ言いたくなることがあります。



なんでかなあ〜って考えると、牧師にしても教師にしても、理想と現実とのギャップがある。

そのギャップは、教会や教室の中にはあまり出てこないけれど、私生活の中、あるいは、生な人間とって、どこかに嘘がある。どこかに無理がある。

そのひずみのようなものが、どこかに出てくるんじゃないかなと思ったりもします。


あと、やっぱり学校の先生っていうのは、すごく【マジメ】な人が多くて、家庭内でも教育者をやってしまって、子どももなかなか息が抜けなくなってしまっているのかも知れません。



学校というものに関して言えば、社会にも責任があると思います。


子どもに関する事柄を、すべて学校という組織に投げてしまっているような気もします。

学校は学校で、それを引き受けすぎているような所がある。

例えば、子どもを狙った犯罪が起こる。

学校は、それに対応しようとする。

どうしても無理が出る。


不登校の子どもを持つ親御さんには、学校に不満を持つ人も多い。

学校はそれにも対応して、保健室登校を認める。

適応指導教室を作る。

スクールカウンセラーを置く。


それでも親御さんとしては、不満がある。


さらに学校は対応しようとする。

学校はいっぱいいっぱいになってくる。

どうしようもなくなってくる。


現場の先生の負担や心労が多くなるのは、当然といえば当然でしょうね。


数年前に、ゆとり教育というのが提唱され、実行された。

これも、詰め込み教育に対する不満を、いわば親や社会の要求に対応した結果であると言える。

すると、こんどは学力低下が問題となって逆転した。


これも、親や社会の要求に答えた形です。


もう学校はいっぱいいっぱいなのでしょう。


わたしとしては、「学校の先生にゆとりを」と言いたい。

親にも「ゆとりを」と言いたいんですけどね。


どちらもいっぱいいっぱいみたいですね。


なんだか、どちらもつらいなあ……








不登校・ひきこもり・ニートを考える FHN放送局代表』
巨椋修(おぐらおさむ)