もしあなたがケガをしていたら、塩をすりこんでも平気ですか?

ひきこもっている人は、他人から心に傷をつけられていたり、つらい思いをさせられたりした経験がある人が多くいます。


 自分ひとりの部屋にひきこもっているうちは、少なくとも他人から傷つけられる心配はありません。


 しかしそのような一見、人との交わりをいっさい断っているように見える人でも、心の奥底では人との交流を望んでいます。


 でも実際に人との交流には恐怖心がある。


 それは心の傷がまだい癒えていないからです。


 そういった心の傷を癒えていない人に対して、傷のない人は安易に



「弱い」



「甘えている」



「根性がたりない」



 と、いいます。



 さて、ここで想像をしてほしいのですが、あなたは道で転んでしまって、ヒザを大きくす擦りむいてしまいました。


 そこへ友人がやってきて



「大丈夫、大したことない」



 と、いって擦りむいて傷ついた場所をさわってきます。


 傷は大したことがないといっても、さわられたあなたはたまったものではありません。


思わず悲鳴をあげてしまうほど痛いのですから。


すると友人は



「この程度の傷で悲鳴をあげるなんて弱すぎるよ。甘えてるんじゃないの? 根性ないなあ、ほらオレなんてヒザをさわって悲鳴をあげるどころか、ちょっとくらいなら叩いても平気だぜ。塩だってすりこんでも平気さ。オレにくらべてだらしないなあキミは」



 と、笑っています。ケガをしていないのですから友人が痛くないのは当たり前です。


 さて、あなたはこの友人のことをどう思われますか?


 心の傷も同じことなのです。



FHN放送局代表
巨椋修(おぐらおさむ)