問題行動はなぜ起こる?


不登校・ひきこもり・ニート』にせよ、自殺、自傷家庭内暴力、各種依存症といった問題とされる行動を、起すのはなぜか?


と言うことについて考えてみたいと思います。


まずこれらは、




「学校に行きたくないから行かない」


「本気で死にたいから自傷行為をする」


「アルコールが好きだから1日中酒に耽る」




と、いった単純なものじゃないことがほとんどだといわれています。


彼らの中は、幼児期から“いい子”であった場合も多く、無理をして親や周囲に合わせてきた人たちであったといわれています。





無理をして自分の欲求をねじまげ



無理をして自分の表現をおさえつけ




内面に溜め込んだ怒り……



内面に溜め込んだ虚しさ……



内面に溜め込んだ寂しさ……



溜め込んだ何かを押さえつけるための、日常的な緊張……



これらの感情が絶えがたいところにきたとき、彼らは何らかの問題行動を起すことで、それら“耐えがたい苦しみ”から、一時的に解放されるのではないかと、考えられております。


こういった背景の中から噴出される“問題行動”は、第三者から見れば理不尽であり、自虐的であり、怠けと映り、甘えと映り、理解されません。



また、第3者が普段の彼らを見れば、一見たいへんおだやかであったり、にこやかであったりし、礼儀正しく、一見、とても元気な場合も少なくなく、「まさかこの人が……」と、思わせる場合も少なくありません。


こういった問題行動をする人は、元々親に対して“いい子”を演じつづけてきたわけで、問題行動が出るのは、家庭内といった限られた場所に限っていたり、突然、緊張の糸が切れてしまったときであったりします。


場合によっては頭痛や下痢や嘔吐、パニック障害といった“病気”として、内面の苦痛が噴出ときもあると聞きます。



押さえつけていた感情が、激しい怒りとなって家庭内暴力として爆発することもあります。


押さえつけていた寂しさをまぎらわせるために、アルコールやギャンブル、浪費、万引きといった行動になって、表れる場合もあるようです。


問題行動の根幹には、深い悲しみや虚しさがあると思われます。


なぜ彼らが、そのような問題行動を繰り返すかというと、それは多分、そうしなければ生きていけないからだと思うのですよ。


そうしなければ、生きている実感がないからと言ったほうがいいのかも知れません。


ですから、周囲の人が、そういった問題行動のみに捕らわれ……


例えば、不登校なら



「何がなんでも、学校にさえ行けば問題は解決する」



とばかり、腕を掴んで学校にひきずっていくとか


ひきこもりなら



「何がなんでも、家の中にいるのがいけないんだ」



と、家から強引に追い立てるような行動は、決して根本的解決にならないと思うのです。



何かの依存症を強引に治した……、でもしばらくしたら別の依存症におちいっていた……



なんてことも、よくあるみたいですが、それでは、本当の問題解決にはなりませんよね。



やはり、根幹にある


怒り


悲しさ


虚しさ


を、うめていくことが大切であると思っています。


うめていく方法としては、そんな人を認める。そんな自分を認めて許すということも、ひとつの方法だと思います。



ただ、何か問題行動があった場合、それが火急な場合でない限り、穏やかにゆるやかに対処していった方がいいのではないかと思っております。


また、どれをとっても、一朝一夕に治るというものでもありませんので、焦らないで、ある程度ながい目で見るという心構えも必要でしょうね。



FHN放送局代表
巨椋修(おぐらおさむ)