不登校・ひきこもり経験者 宮川正文さんに訊く Part3


【出演】 巨椋 修(おぐら おさむ)、天正 彩(てんしょう あや)
【ゲスト】宮川正文さん(不登校・ひきこもり経験者)


●宮川正文さん略歴

・ 中学一年生より不登校・ひきこもりになる

・ 15歳 、高校は九日間だけ登校し、休学

・ 16歳、留年し四月から登校。九月、退学
・ 17~19歳 、定時制と併設する通信制高校を(二次募集を含む)四回受験したがいずれも失敗

・ 23歳より不登校児童生徒のための居場所づくりをはじめる

アルコール依存症になる

富山大学非常勤講師になる

・ 現在、都内大学院生


●解説


今回も、元不登校、元ひきこもり経験者である宮川正文さんに経験を語っていただきます。

宮川正文さんは、中一時代に不登校・ひきこもりになりましたが、その毎日は、とてもつらいものであったそうです。

親御さんや学校の先生が無理やり部屋に押し入ってきて、学校に連れて行こうとするため、自宅の部屋の前にバリケードを作り、親の侵入を少しでも防ぐために部屋の前に、マキビシ代わりに押しピンをバラ撒いたり、自らモデルガンで武装し、侵入してくる親をモデルガンで撃ったことも。

宮川さん自身も、


「学校に行けないボクはダメな人間だから死ぬしかない」


と思いつめ、親御さんも、


「あなたを殺してわたしも死ぬ!」


と言っていたため、不登校・ひきこもりにおける【家庭内戦争】が起こってしまったようです。

この場合のように、不登校やひきこもりが、問題化していくと、親も子も自分を責めてしまい、終わることのない【不幸の連鎖】になってしまうことがあります。

このようなことは、多くの不登校児を持つ家庭で、いつ行われてもおかしくない状況にあったりもするのです。


実際に、年何回かは、不登校児や元不登校でいまはひきこもりとなってしまったお子さんを抱えた家庭で、親子殺人が起こったりしているのも事実なのです。



宮川さんはいいます。


不登校は突然に起こるものではなく、親子や家族の長い時間の結果である」


宮川さんの場合、どのようにしてその事態が解決したかというと


「親が変わったから」


と、いいます。

つまり親御さんが、学校に行けなくなった宮川さんを認めてくれることで、お互いの雪解けがはじまったようなのです。


変わるといっても、人間そう簡単に変われるものではないと思います。

まして、我が子とはいえ自分以外の誰かを変えるなんてとても出来ないことのように思うのです。


自分や他人を変えることは難しくても、そんな自分を認め


子どもは親を、親は子どもを認めることは、可能であるかも知れません。


宮川さんの貴重な体験談は、そのことをわたしたちに教えてくれているのかも知れませんね。

今回のお話も、当事者ならではのお話しですので、ぜひ皆さんご覧下さい。




FHN放送局代表
巨椋修(おぐらおさむ)