礼儀とマナーは大切です。その1
それは数年前のことである。
編集者であり作家の某が、
「今度、 テーブルマナー の本を書くことになったから、手伝っていただきたい」
と、我が居城である巨椋城に来たのである。
「お手前を、由緒ある巨椋流礼法宗家家元、巨椋修羅之介助兵衛(おぐら・しゅらのすけ・すけべえ)と見込んでのことでござる」
と、いうのである。
実のところ、わたしは普段から巨椋流礼法宗家家元であることを隠していたのである。
「な、なぜ拙者が、宗家家元であることを?」
「ははは、そこはそれ、蛇の道は蛇の目ミシン、障子にメアリージェーン、壁にミミ荻原でござる」
「バレていたのではいたし方ない。お引き受けいたしましょう。しかしその前に」
「その前に」
「巨椋流礼法心得の条、ひと〜つ、死して屍拾う者なし!」
「それは隠密同心じゃ!」
「失敬、ひとーつ、人の世生き血をすすり。ふたーつ、不埒な悪業三昧。三つ、醜い浮世の鬼を退治てくれよう……」
「それは桃太郎侍やないけ!!」
「ごめん間違えた。ひとーつ、人より力持ち、二つ、ふるさと後にして……」
「それは、いなかっぺ大将」
「よく知ってるねー、いなかっぺ大将の最終回では、あいつ小学校6年生のくせに、花ちゃんとキクちゃんっていう同い年の女の子2人と結婚式を挙げて、海外に武者修行に行くんだよ、小学生で結婚、しかも重婚だよ、知ってた???」
「知るか!! おまえは、テーブルマナーの文章を書く気があるんかい!!」
「あ……、ありますけど、なにすりゃいーの?」
「できればテーブルマナーとは何か、あと、日本のマナーと、フレンチのマナーの歴史とかな。マナーがいかになるものかとかな。中国、インド、韓国のマナーなんかもやってほしい」
「ふーん」
「はなくそホジくり返しながら答えるな!
これは、たんなるハウツー本ではないのでござる!
一流のホテルマンの教科書的な本であるのじゃ!」
と……、いうわけでえらい長い前置きになってしまいました。
不肖、巨椋修羅之介助兵衛、テーブルマナーについての文章を書くことになったのでありますが、そんなことはどーでもよろしい。
テーブルに限らず、マナー、エチケット、礼儀作法というのは、大変大切なことなのですよ。
そもそも、マナー、エチケット、礼儀作法とは何か?
人間関係を円滑に運ぶ術(すべ)である!
つまり、マナー、エチケット、礼儀作法とは、コミュニケ―ション術でもあるのです。
ときとして、『不登校・ひきこもり・ニート』の方々は、これが苦手である場合も少なくござらん!
作法はよく知っているが、いざとなると 慇懃無礼になってしまうことも少なくない。
あえて無視しようとする人も少なくない。
では、なぜこういったマナー、エチケット、礼儀作法が大切なのか?
どーすりゃいーのかを、書きたいと思いますが、いささか長くなったので、次回といたしましょう。
つーことでよろよろ。
(続く)
FHN放送局代表
巨椋修(おぐらおさむ)