学ぶ喜びも教えられず、働く喜びも感じにくく、困窮者に冷たい国
あなたの日本人に対するイメージは、どのようなものなのででしょうか?
マジメ、優しい、礼儀正しいといったことかも知れません。
平成21年3月 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)が発表した『世界の青年との比較から見た 日本の青年 第8回世界青年意識調査報告書』によると、日本の若者は、日本人のイメージを次のように思っているようです。
1、「勤勉」(49.3%)
2、「礼儀正しい」(49.0%)
3、「見栄っぱり」(40.6%)
4、「平和愛好的」(35.3%)
では海外の若者たちは日本についてどう思っているかというと・・・
韓国
1、「勤勉」(37.1%)
2、「礼儀正しい」(32.9%)
3、「実際的」(32.9%)
4、「信頼できない」(30.5%)
アメリカ
1、「知的」(57.3%)
2、「礼儀正しい」(41.8%)
3、「進歩的」(25.9%)
4、「実際的」(24.9%)
イギリス
1、「知的」(イギリス39.1%)
2、「勤勉」(37.5%)
3、「礼儀正しい」(22.3%)
4、「実際的」(21.2%)
フランス
1、「勤勉」(65.9%)
2、「進歩的」(44.2%)
3、「礼儀正しい」(36.5%)
4、「勇敢」(33.0%)
5、「知的」(26.6%)
とまあこのようなイメージがあるようです。
私自身も以前は、日本人は勤勉で心優しく、礼儀正しい人たちだと思っていました。
ところが近年になって、自国他国の人が思っているほど、勤勉でもなく、他人に優しくないのではないだろうか・・・? と、ここ数年思うようになりました。
それは、最近のヘイトスピーチの増加、生活保護バッシング、そして東日本大震災被災者への態度などからです。
勤勉さを計るのに、参考になるのが、労働時間です。
下図はOECD調査(経済協力開発機構)による労働者1人あたりの労働時間ですが、世界各国と比べて、特に労働時間が長いということもなく、生産性が高いともいえなさそうです。
(http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/u-katsu/about/ より)
もしかしたら、この調査ではサービス残業などが入っていないのかもしれません。
また諸外国に比べて、日本は非正規雇用、つまりアルバイトやパートタイムがとても多いので、労働時間が少なくなっているようです。
日本は諸外国に比べて、子どもを産んだ女性へのバックアップが少なく、正社員の女性でも出産を機に会社をやめてしまうことが多く、それも労働時間の短さに関係しているようです。
これはどうも政治の問題なのですが、政治の問題は国民一人ひとりが考えから成り立ちますので、私たち1人ひとりが考えていくべきでしょう。
生産性も、仕事に喜びを感じているというよりも「やらされている」「仕方ないからやっているだけ」の人も多く、それが生産性の低さにつながっているのかも知れません。
どうせなら、働く喜びを感じていたいものですね。
また、勤勉さを計るのに、勉強時間というものも参考になると思います。
(http://toyokeizai.net/articles/-/13446?page=2 より引用)
どうやら日本人は、小中高まではちゃんと勉強するようですが、大学に入ると小学生よりも勉強しないようです。もちろん、学校以外でもあまり勉強はしません。
(http://toyokeizai.net/articles/-/13446?page=2 より引用)
これは、明らかに、勉強は受験のためものというのが、日本人全体にあるといことではないでしょうか?
大学生になって、急速に勉強をしなくなるというのは、何のために学ぶのか、そして学ぶ楽しさということを教わってこなかったからかも知れません。
では、そんな日本人ですが、他人に対する優しさはどうでしょうか?
イギリスのチャリティー団体Charities Aid Foundation (CAF)は毎年、世界寄付指数と呼ばれる、人助け、寄付、ボランティアに関する指数を公表しています。
これは世界135国で
人助け指数: 外国人や助けを必要としている見知らぬ人を助けたか?
寄付指数: 宗教団体や政治団体、慈善団体等に寄付を行ったか?
ボランティア指数: 組織的なボランティアに時間を捧げたか?
を調べたもの。その結果日本は・・・
(引用 http://blogos.com/article/142286/)
総合指数で135国中 90位
人助け指数で135国中 134位
ボランティア指数は 39位
寄付指数は 62位
トータルで先進国最低であり、特に人助け指数では、最低から2番目。
まあ、私自身、このデータには一言いいたいこともあるのですが、日本人は決して他人に優しい国ではないらしい。
私がそう感じるようになったのは、東日本大震災による被災者への態度からです。
あのとき、日本人が1億2千6百人いるとして、百万人が被災したとしても、残り1億2千5百万人が、少しずつ力を貸せば、早急に復興できると思ったのですが、政府も民間も、それほど力を貸さなかったように思えるのです。
プラス、近年にネットなどでよく聞くヘイト発言や生活保護者叩きなども含めて、他人に優しいとは言い難いく、残念ながら日本人は困難者に力を貸すのが嫌な国民なのかも知れないと思うようになりました。
そういえば、街中でホームレスを見ることはよくありますが、その人たちに、自分の財布から、いくばくかのお金をあげたり、食べ物をあげたりする人など、支援団体の炊き出しや寄付金集めくらいしか見たことがありません。
ホームレスに対しては、みんな目をそむけて歩いているように思えます。
政府や行政による、困窮者や弱者に対する社会保障も、世界的にみて決して高いとはいえません。
このままだと、学ぶ喜びも教えられず育ち、働く喜びも感じにくく、困窮者には冷たいこの国はどんどん息苦しくなってくるようにも思えてしまいます。
そうならないためには、私たち一人ひとりが考え、実行していかなければいけないような気がします。
それにはまず、人に優しくからはじめるのはどうでしょうか?
人に優しくなるためには、まず自分に優しくならなければなりません。だからまず、自分に優しくしてくださいね。
人が何のために生まれてきたのかは、いろいろあると思いますが、幸せになるためであるということも一つだと思います。
学ぶことを楽しみ、働くことを喜び、人に優しい社会になって欲しいものです。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)
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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。
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