第9回心の病気を考える うつ病について2 うつ病の犯人探しについて



うつ病は周囲の人にも影響を与えてしまう病気

 うつ病は、不登校にも、ひきこもりにも、ニートにも深く関係していて、本人がうつ病になり、学校に行けなくなったり、会社に行けなくなったり、ひきこもってしまうことがあります。


「生きづらさ」を感じている人の中にも、うつ病を患っている人がたくさんいます。


 親がうつ病になると、子どもを愛せなくなったり、夫婦の不和が起こったりして、子どもの精神的成長に影響を与えることがあります。


 うつ病の人は、周囲の人に迷惑をかけていると思い、落ち込み、周囲の人も、自分のせいであの人はうつ病になったのではないかと落ち込むことがあります。


 このように、うつ病は本人だけの問題ではなく、周囲の人にも影響を与える病気でもあるのです。


 ですから、家族や、友人がうつ病になったら、まず患者本人を大切にするのは当然として、自分もしっかり守って欲しいと思います。



うつ病と人間関係

 このように、うつ病もまた、人間関係の問題を引き起こしてしまうことがあります。そのため、患者本人はもちろん、家族や周囲の人も大変なストレスを抱えてしまう場合も多いようです。


 本人は、ときとして失礼な物言いや、皮肉・暴言を吐くことがあるかも知れません。ありもしない想像をして、周囲の人を責めることもあります。


 それは、病気だから仕方ないのかも知れません。


 だからといって、家族や周囲の人が傷ついてもいいというわけじゃないんです。

 またうつ病は自殺との関係が非常に深い病気でもあります。

 自殺者のほとんどが、うつ病うつ状態になっているという説があるほどです。

 うつ病を甘くみてはいけません。



● 病気になると、人はその原因や犯人を捜したがるけど……

 どんな病気でも、病気になったら人は、その病気の原因や犯人を捜すものです。

 そして「ああ、あれが原因だったんだんだな、今後、病気にならないために、原因から遠ざかろう」と思いますよね。


 これは、病気になった人にとって大切なことで、そのことから回復への道を歩みだすといっても過言ではないでしょう。


うつ病』もしかりで、「ああ、おれがうつになったのは、ストレスが原因だったんだな、ストレスを遠ざけよう」というのは正しいのです。

 しかし、場合によって、病気の原因が個人になったり、団体になったりしたとき、原因探しが犯人探しになり、責任の押し付け合いになることがあります。

 すなわち


 あんたのせいでおれはうつ病になったんだ。賠償金をだせ!

 おれがうつ病になったのは、会社のせいだ。どうしてくれるんだ!

 おれがこうなったのは、親の育て方が原因だ。責任をとれ!


 と、相手を責める行為になる場合が多いんですよ。


 確かにそういう一面もあるかも知れません。でもこれは怒りの矛先を、相手にぶつけている行為ですよね。


 当然、怒りには怒りが帰ってきます。

 そんな言い方をされたら、相手だってカチンときます。



「おれの責任じゃない。お前自身の責任だ」

「会社が悪いんじゃない。本人が怠けているからだ」

「育て方が間違っていたわけじゃない。社会や学校が原因だ」



 と、責任のなすりつけあいがはじまります。怒りが怒りを呼び、その結果すべての人が傷つき、得るものはなにもないということになってしまいます。


 万が一、誰かに責任があったとしても、それはもう取り戻せない過去のこと。

 もし、いまストレスや環境等が悪いということがあるなら、それをなるべく改善することで、何かを攻撃することではないはず。

 一番大切なのは、過去を攻撃することではなく、いまを生きることと、これからに希望をもつことです。


 これらいままで書いてきたことは、うつ病やその周囲の人たちだけではなく、すべての人たちに当てはまることです。



● まとめ

うつ病の人が暴言をいったとしてもそれは「病気が言わせている」と思いましょう。
うつ病の原因を探し正しく対処するのはいいことですが、犯人探しになり責任のなすりつけ合いになることは、いいことではありません
・ 大切なのは、過去の問題を攻撃することではなく、いまの環境改善。そしていまこのときを生きること。これからに希望をもつことです。








FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)拝



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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

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