第20回楽に生きて何が悪い 『もし人生をやり直したいなら』
●もし人生をやり直したいなら
思ったように行かないのが人生というもの。
「いやいや、自分の人生はすべて自分の思うがままでした」と言い切れる人は、そのように自己暗示にかけているか、何かを勘違いしているか、あるいは自分に嘘をついている人でしょう。
人生は思ったようにいかないもの。
だから多くの人は「もし人生をやり直せたら……」と夢想したりします。
人生を12歳からやり直したいとか、高校生からやり直したいと思ったり。
もしこの記事を読んでいる人が、本当に人生をやり直したいと思っているとしたら「たったいまこのときから」人生をやり直すことをオススメします。
残念ながら現実に12歳や高校生に戻れないわけですから、たったいまの自分を、寿命がつきて死ぬ直前の自分が人生を後悔して「どうか神様、自分の人生をやり直させてください」と、涙を流しながらお願いしたとします。
その願いを神様が聞いてくださり、いまこの瞬間に、死の直前からやってきたと考える。
ただ、神様はやり直したとき、その後の人生をどのように過ごしたのかという記憶を消すことが条件だったから、いまこの瞬間に人生のやり直しをするあなたには、未来の自分がどうなるかはわからない。
後はまた後悔をする人生を繰り返すか？ あるいは生まれ変わったつもりで人生をやり直すかは、これからのあなた次第ということになります。
● サンクコストという考え方
経済学や経営学では、すでに支払ってしまってもう戻ってこない費用・労力・時間のことを「サンクコスト」（埋没費用）といいます。戻ってこない費用は、もったいないとか思わずに、さっさと切り捨てるのが正解。
それについて、後悔するのも無駄。なぜならば、もう戻ってこないわけですから、最初からなかったことにしてやり直すのが、サンクコストの考え方です。
例えば、公共工事にこれまでに100億円使って作っている橋がある。
ところが、どうもこの橋が完成しても、誰もこの橋を使わないことが判明した。
この橋を完成するためには、あともう20億円かかる。
さて、みなさんがこの工事の担当者だったら、どうしますでしょうか？ これまでにせっかく100億円使ったのだから、どうせなら完成させちゃえと思うでしょうか？
経済学や経営学では、この工事を取りやめるのが正解とされています。
え？ じゃあ100億円がもったいない？ いいえ、本当にもったいないのは、これから使う20億円と労力や時間です。だって、この橋は完成しても誰も使わないのですから。
同じようにくよくよと後悔するのも時間の無駄、だってこれまで使った費用や時間はもう戻ってこないんですから。
くよくよするなと言われても、難しいかも知れませんが、時間の無駄なのですから、くよくよ後悔している時間を他の何かに当てたほうがよほど有益ということになります。
あなたにやっと彼氏（彼女）ができました。必死にがんばってやっとできた彼氏（彼女）です。ところが付き合ってみると、最初に思っていたのと大違い。とんでもない相手で、どう考えてもこの先幸せになれそうもないとわかりました。
さてあなたは、この彼氏（彼女）と、ずるずると付き合い続けますか？ サンクコストの考え方では、お別れするのが正しいのです。
多くの人は、もしかしたら、この人はこの先変わってくれるかも……
と、思うかも知れませんが、ダメ彼氏（彼女）と付き合い続けることで、これからの時間と労力が無駄になり、他に素敵な相手との出会いも阻害されてしまうのですから。
くよくよと後悔するのも時間の無駄、だってこれまで使った費用や時間はもう戻ってこないんですから。
もしかしたら、人生も同じかも知れませんね。
● まとめ
・ 人生をやり直せるかどうかは、たったいまからやるかどうかです。
・ 取り返しが付かないことは、くよくよと後悔するのも無駄。
FHN放送局
巨椋修（おぐらおさむ）拝
第3回 生きぞこないなう！ テーマ『正義論 あなたの正義に気をつけろ！』
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巨椋修（おぐらおさむ）は陽明門護身拳法という護身術＆総合格闘技の師範をやっています。
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