上手にサボって甘えましょう(笑)
「アトピー性皮膚炎や、小児喘息は、母親の愛情不足が原因である」
という人がいます。
ところが、これは誤解。
むしろ、子どものアトピーや喘息というのは、親にとって非常に手のかかる病気なんです。
アトピーなら、子どもは一晩中、かゆいかゆいと、泣いたりグズったりします。
喘息なら、苦しくて一晩中、ゼイゼイゲホゲホとしていて、目を離せば死んでしまうのではないかという恐怖を親に与える。
これが一晩二晩ではなく、しょっちゅう、あるいは毎晩続く。
親、特に母親のストレスや苦悩は、想像を絶するものがあります。
それでなくても、現代社会は子育てが難しいと言われているんです。
母親はどんどん追い詰められていく。
その結果、母親が子どもを愛せなくなったり、つらいことを子どもに当たってしまうこともある。
そのために、夫婦間や、他の家族との間ががぎくしゃくしたりすることもある……
よって、アトピーや喘息のお子さんを持つ母親を責めるというのは、お門違いであるばかりか、むしろ苦しんでいるお母さんを周囲が守るようにすべきである。
この意見は、わたしが以前に監督した映画『不登校の真実』の中で、明橋大二医師が語ってくれた言葉であり、わたしも同感とするところです。
生まれてくる子どもは健康で丈夫だとは限りません。
むしろ、人間の子どもは、他の動物と比べるとまだ胎内にいる状態、未熟児の状態で生まれてきます。
馬なんて、生れ落ちてすぐに脚をふるふるさせながら立ち上がるのを比べたら、いかに違いがあるのかがわかります。
(馬の赤ちゃんがふるふるしていると、つい“ガンバレ!”っていいたくなるよね!関係ないけど(笑))
人間の子どもは、大変に弱く、また育てるのには苦労がつきません。
もちろん、実際に親の愛情不足を含め、子ども自身のストレスで、子どもの体に異変が起こるということも、普通にあります。
「ほとんどの病気は、心と関係している」
と言う人がいますが、それは確かに言えることで、心が原因で体を壊す場合もありますし、体の不調が原因で、心が落ち込んだり荒れたりすることも、よくあることです。
また、その人の性格によって、罹りやすい病気というのもあります。
バリバリ働いて積極的な人は、脳の血管が切れたり、心臓をやられたりする確立が、そうでない人と比べて数倍多いそうです。
また、無理をして周囲に合わせるような人は、あるときうつになることがあります。
「え? あの元気で優しい人が……」
という人が突然うつになる。
多分、そのマジメさゆえに、人に合わせて無理をしてきたんでしょうね。
とにかく怖いのは、過度のストレス。
適度なストレスは、むしろいいんです。
ところが、それが過度になると、体を蝕む。
心と体が蝕まれていくと、周囲の人にも影響があり、その人を避けるようになる。
悪循環が悪循環を呼ぶつらい結果になるおそれがあります。
これに対処するにはどうすればいいかと申しますと、
とりあえず嘘でも明るく笑う。
人間、悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなるのです。
同様に、楽しいから笑うだけではなく、笑うから楽しく元気が出てくるのです。
でも無理はしない
嘘でも明るく元気に笑っていれば、その人が無理をしなくたって周りに人は、そんなに悪い気はしないものです。
「ごめ〜ん、ホント、ちょっとムリだわ」
なんて言いながら、サボる、怠ける、甘える!(笑)
こうやって上手に、サボる、怠ける、甘えることができれば、心も体も少しずつ楽になってきますから。
上手にサボって、上手に怠けて、甘えちゃいましょう。(笑)
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)