不登校はニートになりやすく、年齢を重ねると復帰しにくい

ちょっと前の記事です。

青少年白書>ニート2万人増の64万人に 高年齢化の傾向

毎日新聞 -09年 07月03日 10:13)


 小渕優子少子化担当相は3日午前の閣議で09年版青少年白書を報告した。

仕事も職業訓練もしていない若者(ニート)が、08年は前年比2万人増の64万人となった。

中学、高校時代に不登校だったり中退した人がニートになる傾向が強いことも判明した。(中略)


 ニートの年齢別内訳は、15〜24歳(低年齢層)が26万人、25〜34歳(高年齢層)が38万人。


総数は02年以降、62万〜64万人で推移しているが、低年齢層は02年比で3万人減ったのに対し高年齢層は3万人増え、いったんニートとなった人が社会復帰できず高年齢化している現状がうかがえる。


 今回は不登校や中退した人の調査を初めて実施。


今年2〜3月、04年度に高校を中退した人1595人(回答168人)と、中学で不登校だった人480人(同109人)を対象とした。


現在ニート状態にある人は高校中退者の20.8%(同年代平均5.9%)、中学不登校者の16.5%(同2.3%)と、いずれも同年代平均を大きく上回った。


 白書は「学校段階でのつまずきが、ニートへつながっている」と分析している。
横田愛



以上、毎日新聞の記事ですが、この記事で注目すべきなのは



【高年齢層(25〜34歳)は3万人増え、いったんニートとなった人が社会復帰できず高年齢化している現状がうかがえる。】


 
と、いうところと



【現在ニート状態にある人は高校中退者の20.8%(同年代平均5.9%)、中学不登校者の16.5%(同2.3%)と、いずれも同年代平均を大きく上回った。】


と、いうところでしょう。


つまり不登校や中退者は、そうでない人に比べ、将来ニートになる確率が、何倍も高いという事実。



ある程度の年齢になり、ニート状態になれば、年齢が高くなるほど復帰が難しくなるという事実。



これらは、当事者や支援者、研究者でなくとも、容易に想像がつき、それが事実であったというだけに過ぎません。


さて、当事者や、親、支援者は、この事実をどう受け止め、どう行動していくかということですね。


場合によっては「だまって見守る」という方法も良いでしょう。


ただし「だまって見守る」というのは、「何もしない」ということではありません。


かといって、焦って考えもなしに行動したところで、徒労に終わることも多いものです。


不登校にせよ、ニートにせよ「焦らず、急がず、諦めず」が肝要。


もっとも良くないのが、「放っておく」というものです。


「放っておく」というのは、「見放す」ということと同義語だからです。


しかし「見放さずに、かかわる」ということと、「過干渉」は、またまったく違います。


これは、対象が子どもであろうと、親であろうと、自分自身であろうと同じです。


その対象が自分であろうと、他人であろうと、いい距離感、バランス感覚が、大切ということになりますね。


ちょっと困るのが、支援者と称する人が、「黙って見守る」とう方法(この方法は、実は人により大変有効ではある)を提案し、結果「見放す」と同様のことになり。そのまま10年20年となって、ひきこもりの高齢化促進になってしまうこと。

見守るというのはいい言葉ですが、それも期限を決めておかないと、いつまでもずるずる……なんてことになってる場合もあるので、それは注意したいところですね。




不登校・ひきこもり・ニートを考える FHN放送局代表』
巨椋修(おぐらおさむ)