問題の裏側こそ問題である

わたしはときどき『不登校・ひきこもり・ニート』は、それら自体は大した問題ではない。と、行ったりします。


これらは、気の持ちよう、考え方でどうにでもなるものだからです。


でも、そうじゃない“本当の問題”がその裏側に潜んでいる場合が、ほとんどであったりします。


その裏側とは何か?



その一例が、虐待や育児放棄である。


その一例が、深刻な家庭内暴力である。


その一例が、離婚を含めた家族崩壊である。


その一例が、親の経済的問題である。


その一例が、アルコールを含める各種依存症である。


その一例が、摂食障害である。


その一例が、自傷行為である。


その一例が、軽度自閉症など脳障害である。


その一例が、精神・神経の病である……



他にも、アルコールやギャンブル、買い物依存症に付随する多重債務という問題。


不健康な生活が原因となる内蔵疾患、慢性病、性病などなどが、『不登校・ひきこもり・ニート』の裏側の問題としてあります。


多重債務や性病などというと、まったく関係ないと思われる方も多いかと思いますが、お金を稼げない人が、安易に見栄を張ったりするのには、消費者ローンはお手軽にお金を手にする方法です。

人間関係をうまく結べない人、特に女性にとって、SEXはいっときの人間関係を安易に結んでくれます。


そして、『不登校・ひきこもり・ニート』の支援者は、このような問題をことさら無視したり、苦手とする場合も少なくないんですよ。


そんなものは見たくない・考えたくないから、なかったことにしようとする場合もある。


多重債務の場合、そういった支援者よりも、弁護士の方が役に立つ場合も多いでしょう。


病院も積極的に利用した方がいい。


日本人はなぜか、弁護士や病院というと、

「そんな大事げさな」

と、世間体を気にしたりする場合が少なくないんですが、何事も手遅れになる前に、手を打っておいた方がいいんです。


あるお母さんはね。

ダンナがギャンブルに狂って、お酒と浮気をしまくっていて、お金を家に入れない。

家庭では妻を殴る、子も殴る。

毎日、消費者金融から取り立ての電話が掛かってくる。

子どもは不登校です。

パートで働いたお金のほとんどは、消費者金融の利子に取られていく。

で、あまり人に家庭に首を突っ込みたくないんですけど、思わず言っちゃった。


「離婚を考えた方がいいかも知れませんね」


すると、お母さんは言いましたね。


「はい、わたしも考えているんです。でも、夫の作った借金をキレイに支払ってから離婚しようと思ってます」


思わず




「その考え方は、あまりいいとは思えない」




って言っちゃった。

このお母さんがどんなにけなげに働いたとしても、ダンナが借金し続けたら永遠に、借金なんて支払えないのは、目に見えていますからね。

その状態を続けている限り、そのお母さんも、ダンナもお子さんも、ずっといまのまま苦しみ続けることになるのは、目に見えているといっていい。


そのお母さんは、いまの苦しみに足踏みし続けていて、現実的な問題解決に一歩進むのが怖かったのかも知れません。


そのお母さんは、最初不登校の相談ということで、わたしに連絡があったんです。

最初は全然、そんな家庭内の問題は言わなかったのね。

でも、ずっと連絡を取り合っているうちに、ぽろぽろとそんな話しが出てきたんです。


表は不登校問題で、裏側にこんな話しが結構あるんですよ。

一例や二例じゃなくて、たくさんあるんです。


そのたびに、


「それはわたしに愚痴をいっていても解決しませんよ。まず、弁護士にご相談なさい」


と言ったりします。

“弁護士”が、“病院”や、“精神科医”となる場合もあります。


すると、


「ええ、でもそんなに事を大げさにしたくないんです。ウチウチでなんとかできないんでしょうか?」


とお答えになられる。


気持ちはね。

すごくわかるんです。

でも、現実を見据えないと、事態は悪くなる一方という場合もあります。


もし本人にそういった考えを持てない場合はね、周囲の人がヒントやアドバイスをしたり、少しだけ背中を押してあげる必要もあると思います。



FHN放送局代表
巨椋修(おぐらおさむ)