不登校・ひきこもり経験者 宮川正文さんに訊く (1)


【配信日】 2008年9月8日


【出演】 巨椋 修(おぐら おさむ)、天正 彩(てんしょう あや)
【ゲスト】 宮川正文さん(不登校・ひきこもり経験者)


●話の内容


・ ぼくが不登校・ひきこもりになった理由
・ ぼくが 昼夜逆転になってしまった理由
不登校・ひきこもり当事者の心理



●宮川正文さん略歴


・ 中学一年生より不登校・ひきこもりになる
・ 15歳 、高校は九日間だけ登校し、休学
・ 16歳、留年し四月から登校。九月、退学
・ 17~19歳 、定時制と併設する通信制高校を(二次募集を含む)四回受験したがいずれも失敗
・ 23歳より不登校児童生徒のための居場所づくりをはじめる
アルコール依存症になる
富山大学非常勤講師なる
・ 現在、都内大学院生




●解説

 
宮川正文さんは、中学一年生の秋から不登校になり、自分の部屋にひきこもるようになります。
 不登校になった宮川さんを、親御さんや先生が無理やり学校に連れて行こうとするため、宮川さんは、親が部屋に入ってこないようにするため、バリケードを作ったりモデルガンで武装をしたといいます。

 高校受験は、一度受かるもすぐに退学、その後16歳から18歳までの間で4回受験に失敗し、最終学歴はいまだに中卒。

 23歳より不登校児童生徒のための『居場所』を作り、活動をはじめます。
 26歳のときより4年間、なぜか富山大学非常勤講師をつとめ、その頃、巨椋修(おぐらおさむ)の取材を受けています。

 しかしこの頃、アルコール依存症になってしまいます。

 現在は、東京都内の某大学院に進学。大学院生として政治・行政学を勉強中。
 最終学歴が中卒でも、大学の講師になれたり、大学院に進学できるんですね。(かなり特例だと思いますけど)
 当事者ならではのお話しですので、ぜひ皆さん観てください。


※今回もいきなり、あやねえさんが大ボケをかましてくださいます。(笑)
※照明が暗く観づらかったり、音声もお聞きづらいところがありますので、ご了承ください。

不登校・ひきこもり・ニートを考える FHN放送局代表

巨椋修(おぐらおさむ)





不登校・ひきこもり経験者 宮川正文さんに訊く (2)】


【配信日】 2008年9月15日


【出演】 巨椋 修(おぐら おさむ)、天正 彩(てんしょう あや)
【ゲスト】 宮川正文さん(不登校・ひきこもり経験者)


●話の内容

ゲストの宮川正文さんが、不登校だった時代、親や先生からされて困ったことを語っていただきました。


 
■親や先生にされて困ったこと


・(親が)泣いたり苦悩しているのを見るのがつらかった。
宮川さんは、不登校・ひきこもり時代に、親が泣いたり苦悩している姿を見るのが、自分のためだけではなく、親に対して申し訳ない気持ちがあり、とてもつらかったそうです。

・ほっておいてほしかった。ただつらい時は助けてほしかったが、対応はまったく逆だった。
不登校時代、親から「学校に行かなかったら、人生おしまいなんだぞ」などと言われるくらいだったら、むしろほっておいて欲しかったそうです。

・言葉だけ理解があるのは苦しい。表情が違うから。
親は「学校は無理して行かなくてもいいわよ」と、口では言ってくれたのですが、ところが表情や態度が怖かったりした場合、子どもには親の本心が敏感にわかってしまい、それでまた苦しくなってしまったそうです。

・宮川さんの場合、教師が同級生に「みんな待っているよ」と手紙を書かせて、持ってこられるのは、とても負担だった。
宮川さんは「いじめ」が原因で不登校になったそうなのですがそうすると、いじめっ子たちからも「みんな待っているよ」という手紙が届くことにもなり、とても負担だったそうです。また、無理やり書かされている手紙というのは、子どもでもわかるので、余計に負担を感じたといいます。

 宮川さんのお話は、経験者だから言えるということが多いように思います。いま悩んでいる方、親御さん、先生方にもぜひ観ていただければと思います。


不登校・ひきこもり・ニートを考える FHN放送局代表

巨椋修(おぐらおさむ)





不登校・ひきこもり経験者 宮川正文さんに訊く (3)】


【配信日
】 2008年9月29日


【出演】 巨椋 修(おぐら おさむ)、天正 彩(てんしょう あや)
【ゲスト】宮川正文さん(不登校・ひきこもり経験者)


●話の内容

不登校・ひきこもり時代のつらい日常
学校に行きたくても、いけないという当時の心情を語っていただきました。
また、不登校・ひきこもり者に対する家族や周囲の人の接し方などを語っていただきました。



●解説


宮川正文さんは、中一時代に不登校・ひきこもりになりましたが、その毎日は、とてもつらいものであったそうです。

親御さんや学校の先生が無理やり部屋に押し入ってきて、学校に連れて行こうとするため、自宅の部屋の前にバリケードを作り、親の侵入を少しでも防ぐために部屋の前に、マキビシ代わりに押しピンをバラ撒いたり、自らモデルガンで武装し、侵入してくる親をモデルガンで撃ったことも。

宮川さん自身も、「学校に行けないボクはダメな人間だから死ぬしかない」と思いつめ、親御さんも、「あなたを殺してわたしも死ぬ!」と言っていたため、不登校・ひきこもりにおける【家庭内戦争】が起こってしまったようです。

この場合のように、不登校やひきこもりが、問題化していくと、親も子も自分を責めてしまい、終わることのない【不幸の連鎖】になってしまうことがあります。

宮川さんはいいます。

不登校は突然に起こるものではなく、親子や家族の長い時間の結果である」

宮川さんの場合、どのようにしてその事態が解決したかというと

「親が変わったから」

と、いいます。

つまり親御さんが、学校に行けなくなった宮川さんを認めてくれることで、お互いの雪解けがはじまったようなのです。

変わるといっても、人間そう簡単に変われるものではないと思います。

まして、我が子とはいえ自分以外の誰かを変えるなんてとても出来ないことのように思うのです。

自分や他人を変えることは難しくても、そんな自分を認め

子どもは親を

親は子どもを認めることは、可能であるかも知れません。

宮川さんの貴重な体験談は、そのことをわたしたちに教えてくれているのかも知れませんね。

今回のお話も、当事者ならではのお話しですので、ぜひ皆さんご覧下さい。

では、乱文にて失礼を。


不登校・ひきこもり・ニートを考える FHN放送局代表

巨椋修(おぐらおさむ)




不登校・ひきこもり経験者 宮川正文さんに訊く (4) 】


【配信日】 2008年10月13日


【出演】 巨椋 修(おぐら おさむ)、天正 彩(てんしょう あや)
【ゲスト】宮川正文さん(不登校・ひきこもり経験者)


●話の内容

不登校時代のつらかった心情を語っていただいています。



●解説


この回は、以前に配信した【 不登校・ひきこもり経験者 宮川正文さんに訊く (3) 】の続編です。

不登校・ひきこもり経験者 宮川正文さんに訊く (3) 】や、それ以前の宮川さんへのインタビューをまだ聞いていない方は、当サイトの【不登校チャンネル】でご覧いただけますので、この機会にぜひ聞いていただいて、不登校問題や、家族問題、家庭内戦争などについてご一考いただければと思います。

さて、宮川さんは中学一年のときに「いじめ」が原因で不登校になります。

そのとき親御さんに「働かざるもの食うべからず」といったことを言われ、親御さんに対して、申し訳なさから、大きな罪悪感を抱くようになります。

親御さんとしては『大人は働く・子どもは学校に行って学ぶ』というお考えであったのでしょうが、宮川さんは、学校に行けばいじめられるため、学校に行くことができません。

死ぬことも考えたのですが、それも恐ろしく、また「働かざる者食うべからず」と言われていたことから、
食事をほとんど摂らなくなり【拒食症】になってしまいます。

また、不登校のとき、お風呂に入ることもあまりなかったといいます。
お風呂というのは、当然ながら裸になるわけです。
当然、大変、無防備な状態になるわけです。

当時、宮川さんが親御さんが「あなたを殺して、わたしも死ぬ」という言葉を聞かされていたわけですから、無防備な状態でいることが怖くて仕方がなかったといいます。


これは何をあらわしているのか?


自分の住んでいる家が、宮川さんにとって、安心できる居場所ではなかったということです。

わたしたちは、不登校当事者に対し表面だけを見て、「この子は怠けているだけだ」と、短絡的に評価しがちですが、考えてもみてください。

● 学校にいけなくなり
● 家にいると親に責められ
● 家自体が安心できる場所じゃなくなる

という、大変苦しい状況にあったわけです。

不登校というのは、人によってそれぞれ状況が違いますが、宮川さんのように、自分の家の中でさえ、安心できないという子どもも、いることを知っていただけたらと思うのです。




不登校・ひきこもり・ニートを考える FHN放送局代表

巨椋修(おぐらおさむ)