【 ひきこもり、その傾向と対策 (2) 友だち編 】

【配信日】 2008年10月20日

【出演】 巨椋 修(おぐら おさむ)、天正 彩(てんしょう あや)




●解説


第6回FHN放送局に引き続き、東京都が調査した『ひきこもりの実態等に関する調査(若年者自立支援調査研究)結果』
を元に、ひきこもりへの傾向と対策を考えてみたいと思います。

この調査によると、ひきこもりの原因、あるいはきっかけが、『人間関係』『人とのコミュニケーション』の不器用さにあると推測できます。

この調査で、ひきこもり系のひとたちは一般の人たちと比べて明らかに、家族関係が希薄であり、うまくいっていない場合が多いことが明らかになったといっていいと思います。

では今回、もうひとつ大切な人間関係である『友だちとの人間関係』について調べてみましょう。

ひきこもり系(ひきこもり群)の『学校における友だちとの関係』についての調査がありますので、ちょっとピックアップしてみましょう。


・信頼できる友達がかなりいた(いる)
ひきこもり群 21.4%
一般群     53.6%

・友達とよく話した(話す
ひきこもり群 42.9%
一般群     80.6%

・友達がひとりもいなかった(いない)
ひきこもり群 10.7%
一般群     1.1%

不登校を経験した(している
ひきこもり群 35.7%
一般群     5.3%

・友達にいじめられた(いじめられている)
ひきこもり群 39.3%
一般群     18.0%

・学校の勉強についていけなかった(いけない)
ひきこもり群 53.6%
一般群     15.0%

・学校の先生との関係がうまくいかなかった(いかない)
ひきこもり群 35.7%
一般群     10.7%


このような結果です。
ひとめ見てもお分かりのように、ひきこもり系の人は、あきらかに『学校での人間関係』が、うまくいっていないことがわかります。

また、

● ひきこもり系の36%が、不登校を経験していること。
● ひきこもり系の39%が「いじめられた」経験があること。
● ひきこもり系の54%が「勉強の遅れ」を経験していたこと。
● 全体的にみて、ひきこもり群は、友人関係が希薄な傾向にあること。


などといった調査結果が明らかになりました。
このことは、真摯に受け止め、対策や対処の仕方を考え、実行していくことが、今後のひきこもり対策としては、必要なことなのでしょう。

それにはまず『ひきこもり系(群)』が苦手とする『人間関係能力』『コミュニケーション能力』を、いかに伸ばしていくかといったことが大切になってくると思います。

FHN放送局では、今後そういったことも考えていきたいと思っています。



不登校・ひきこもり・ニートを考える FHN放送局代表

巨椋修(おぐら おさむ)