「ツレがうつになりまして。」読了
いまさらながらですが「ツレがうつになりまして。」という漫画を読みました。
漫画家である細川貂々さんの夫である「ツレさん」がある日、うつ病になり、奥さんの細川貂々さんがその日々を優しい絵でつづった本です。
うつ病の人や、そのご家族、あるいは周辺の方は読んで損はない本です。
この本に書いてあったエピソードを少し紹介しましょう。
●薬を飲むようになって少しよくなってきたツレさんですが、すぐにまた具合が悪くなってしまいます。
食事もできない、薬も飲めない、トイレもやっと……という状態。ちゃんと良くなってきたのになんで? となるお2人。
しかし、薬を飲んでも一直線に良くなるものではなく、振り子のようによくなったり悪くなったりしながら、治っていくものだそうです。
●お医者さんから最低でも3〜6ヶ月かかる病気と聞いたツレさんは、4ヶ月くらいで復帰できると思っていたそうです。
しかしさらに病気をくわしく調べてみると「最低でも3〜6ヶ月かかるということは、6ヶ月治療しても、6ヶ月後にもっとも軽い病状になることであり、6ヶ月くらいの短い期間で治った場合、再発率が大変高いことを知り、さらに場合によっては7年〜10年とかかることがあると知り、びっくりします。
●調子よくいっていたある日、突然ダメになってしまうツレさん。
実は調子が良くなってきたので、勝手に薬を減らしてしまっていたのです。
また効くまで2週間かかる」と、がっかりする細川貂々さん。
最後のは良く聞く話で、周りの人が良かれと思って「薬なんか飲んじゃダメだよ」とか言われて、勝手に減らしたりやめたりして、どんどんうつがこじれていくことが多いですね。
減薬というのはすごくデリケートで、半年くらいかけながら、医師の指導も下、慎重にならないと失敗することが多いそうです。
他にも
●乱暴な言葉などにひどく傷つく。
●好きな音楽が聴けなくなる。
●本、新聞が読めなくなる。
●テレビがついているとつらい。(特にバラエティなどテンションが高いもの)
●突然、言葉が出なくなる。
●買い物にいってお金が数えられなくなる。
●自殺を考える。
などなど……
この本の続編である「7年目のツレがうつになりまして」によると、ツレさんは、現在抗うつ薬は飲んでいないそうです。
つまりは治ったということでしょう。しかし再発が多いがうつ病であり、気をつけながら毎日を過ごしておられるそうです。
うつ病というのは、本人じゃないとわからないことが多い病気だと思います。
その本は、うつについて知りたい人にいい本だと思います。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)