第17回楽に生きて何が悪い『言葉には魔力があります』


●呪われれば祓えばいい

 前回、呪(のろ)いと祝(いわ)いの心理学について書きました。

 ようは、相手に嫌な思いをさせる言葉が「呪いの言葉」
 相手が楽しく気持ちよくなる言葉が「祝いの言葉」なのです。

 そして、多くの人が良かれと思って、人に「呪いの言葉」を掛けてしまいます。特に親は子どもに「呪い」を掛けてしまうことが多いのです。

 はげましのつもりで「こんな点じゃいい学校に入れないわよ」とか「ほんとに何度言えばわかるのよ、バカじゃないの」といった、普段何気なく使っている言葉すら、時に「呪いの言葉」になってしまいます。


 では人から「祝い」はなく「呪い」を掛けられたときはどうすればいいのでしょうか?

 それは、祓えばいいのです。



●日本人には呪いや祟りを畏れる心がある

 次のような話しがあります。

 ある遺跡で、日本人と外国人が発掘をしていたとき、大量の髑髏や人骨が発見されました。

 そのとき、日本人の発掘者だけが高熱を出したり、体調を崩したりしたのです。外国人の発掘者には、体調の変化は見られませんでした。

 そこで、日本人発掘者だけ神主さんに“お祓い”をしてもらうと、体調を崩していた日本人は、たちまち元気になったといいます。

 なぜ外国人は体調が悪くならないのに、日本人だけ体調が悪くなったのでしょうか?

 これは、日本人が持っている一種独特の「表には出ない呪いや祟りを畏れる心」が、作用していると考えられます。

 日本人は古代より「呪い」や「祟り」を恐れる精神基盤がありました。

 それが古代の神道や、仏教に表れました。仏教には、本来、「呪い」や「祟り」の教えはなかったのですが、神道と仏教の習合から、呪いや祟りへのおそ畏れが取り入れられました。


 むしろ、仏教が日本に根付くためには、為政者や信徒から呪いや祟りへの「お祓い」が求められ、もし仏教がそれに答えなければ……、つまり厄払いのようなことをしなければ、いまのように仏教は広まっていなかったかも知れません。

 先にあげた遺跡発掘の例では、なぜ日本人だけ体調を崩したのかは、日本人は髑髏や人骨を見たとき『本人はまったく気にしていないのに』呪いや祟りへの畏れがでてきてしまい、そのため頭痛や体調の悪化に現われ“お祓い”を受けることで、健康体に戻ることができたということです。

 つまり、呪われたとしても祓うことで、その呪いや祟りは消えるといえます。



● 自分でできる祓いの仕方

 祓うといっても、必ずしも神社に行ってお祓いしてもらうことだけが“お祓い”ではありません。

 要は気にとめないこと。気にしなくなることが「祓う」ということになります。

 つまり心の中から呪を払うのです。「祓い」は「払い」なのですから。

 最後に、人に呪いや祝いをかけるのは他人ばかりではありません。

 自分で自分にかけることもできます。

 いま生きているのがつらい人のほとんどは、自分に対して自分で「わたしはダメな人間だ」「わたしなど生まれてこなければよかった」といった言葉掛けをしているようです。

 これでは、自分で自分を呪っている状態です。

 そんな「呪いの言葉」は、払い落としてしまいましょう。

 そして、自分に対して良い言霊を掛けてあげましょう。

 それは自分で自分をほめることです。

 自分で自分を「おまえはよくやってる! よくがんばってる!」と、認めてあげることです。

 そして自分で自分のことを大好きになることです。これが自分でできる、呪いを祓う方法です。

 言葉には魔力があります。

 言葉を上手にあやつる人は、魔法使いになれるということです。

 どうせなら、良い言葉の魔法使いになりましょう。

● まとめ
・ 悪い言葉、不愉快な言葉を掛けられたら、自分に良い言葉を掛けて祓ってしまいましょう。
・ 自分で自分をほめてあげましょう。
・ 言葉には魔力があります。







FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)拝



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