精神科のお薬についての漫画を描きました

●心の薬の漫画を描きました
 精神科の薬というと、他の薬以上に偏見が強いものです。

 中には本人が治療を望んでいるのに、偏見のためにご家族が治療に反対してしまい、どんどん悪化してしまう場合もあるといいます。

 あまりに偏見や間違いが多いので、ぼくは精神科のお薬についての漫画『まり先生の心のお薬研究室』を描いてみました。無料で読めますのでぜひ!


まり先生の心のお薬研究室 – LEED Cafe

 


●精神科への誹謗中傷は本当か?
 精神科の薬や精神科医療に対する、非難・中傷がごまんと出てきます。どんなものがあるかというと


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・精神科の薬は麻薬と一緒で一生やめられない

・精神科の薬は精神科医が儲けるために大量処方をしている

・精神科の薬では心の病気は治せない
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 などなど数え上げればキリがないほど。

 まあ、答えを言っちゃうと、統合失調症双極性障害の薬は、内科でいうところの糖尿病や痛風といった慢性疾患と同じように、一生飲み続けないと再発し悪化するといわれています。

 うつ病の場合、初診患者の回復率は、


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・1カ月以内が20~30%。

・1~3カ月以内が50%。

・1年半でも回復しない人が15%。

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医療法人社団雅会前田クリニックHPより


 だそうで、治療してうまくいけば3カ月程度で社会復帰できる場合がほとんどなんかとか。

 ただ、うつ病は再発率がとても高いので、回復したと本人や医師が判断しても、数カ月半年と、長く薬を飲み続けるのが大切で、治ったと判断されても医師から「しばらく薬を飲み続けましょう」と、言われるのが誤解の原因のひとつかも知れません。

 つまりうつ病に関しては、時間はかかるけどやがて薬は飲まなくてもよくなるということですね。

 さらに、精神科医が儲けるために薬を大量に出しているというのも・・・ ちょっと考えてみてください。昔と違って、いまほとんどのクリニックでは、クリニックで薬を買うのではなく、別の調剤薬局で購入するわけですから、医師が儲かるわけじゃないんです。

 その調剤薬局だって、厚労省からの厳しい監視があって、不当な値段をつけられるわけもなく。

 精神医学に不信を持つ人の中には

「だから厚労省精神科医と薬局や製薬会社がつるんで、患者を作り出して大儲けしているんだ!」

 なんていう人もいます。

 

 どんな陰謀論やねん(笑)!


 現実では、厚労省は増え続ける医療費を何とか減らそうとしているわけで、そのためみなさんが病院にいって薬をもらうとき、高い新薬ではなく安いジェネリック医薬品を勧められるはず。

 儲けようと思えば、高い新薬を勧めるはずなんですけどね(笑)。


 一方、製薬会社も新薬開発に十数年かかり、さらにその開発費はなんと200~300億円もかかってるんです。


(参照:新薬はどうやって生まれるか|製薬協が考えるくすり|日本製薬工業協会のサイトより)


 研究開発費が2~3億でも、20~30億でもなく、200~300億円ってちょっとビックリですね。

 そして【・精神科の薬では心の病気は治せない】とうのはある意味本当です。

 

まり先生の心のお薬研究室 – LEED Cafe 

 

 

●精神科の薬では心の病気は治せない?
【・精神科の薬では心の病気は治せない】というのは、精神科のお薬に限らずあらゆる薬について言えることなんです。

 例えば水虫という病気がありますよね。驚くべきことになんと5人に1人が水虫だそうで、かなりの人が毎日塗り薬を足に塗っているそうなんですね。

 ところが水虫菌というのはしつこくて、なかなか治らない。

 では水虫は治らないのかというと、ちゃんと治療を続けていくと治る病気なんです。

 でも、薬だけではダメで、毎日ちゃんと足を丁寧に洗って、いつも清潔を心掛けていないと、薬だけでは治らない。

 精神科のお薬も、内科のお薬も同じで、毎日の生活を改善しないと、薬だけで直そうというのはちょっと無理なんですよ。

 だから、どんな病気でも薬+生活改善をしないと治るものも治らない。

 当たり前の話しですね(笑)。

 

 ということで、心の薬について描いた漫画『まり先生の心のお薬研究室』ぜひ読んでくださいね。